お着替え
どうぞご覧下さい。
私の両手の中にはアーモンド位の水晶が光っていた。 その水晶の先端に鎖があり、ペンダントの様に首に掛けられるのも思っていた通りに出来た。
「やった! 取り敢えずイメージ通りだわ」
「それは宝石か? かなりの魔力を圧縮しておったから何かと思えば……」
ルシフェルさんのため息混じりの様な声が聞こえて来た。
「もう、本番はこれからなんです。 見てて下さい」
余りにがっかり感のある口調だったので、ムッと来てつい声を大きくしてしまった。 私はペンダントを首に掛け決めておいたキーワードを口にした。
「いきます! “ドレスチェンジ”」
キーワードに反応して、水晶から強烈な光が辺り一面に放たれた。 その光が私を包み込んで行く、巨大な球体状になった光の中で私が着ていた服が光の粒子になって消え去り一糸纏わぬ姿になった。 正直これは想定外だけど、多分外からは見えてない筈……そう思いたい。
そこから球体状の光が徐々に収縮して私の体に触れると、そこから服に変換されて行く。 足先にはブーツが、指先にはグローブが、体には密着型の服が形成されて行った。 そして服が体を全て覆った後、光が頭を包み鼻まで覆うマスク状の物が形成され、豊かな黒髪は輝く銀髪へ変わる、そして最後にゴーグル状の物が目元を覆った。
“カッ”
着替え終えた私はヒラリと降り立った。
急性腸炎になって最悪でした。
ここまで読んで頂き有難う御座いました。