散らされた華
どうぞご覧下さい。
私の名前は神谷 火乃華、花も恥じらう女子高生よ。 一般的な中流家庭の生まれで成績は中の上くらいかな、自慢は背中迄伸ばしたサラサラの黒髪ね。 手入れは大変だけど皆の受けが良いから頑張ってるの。
その日は朝から晴れていたわ。 天気予報では“午後から不安定に成ります”と言っていたけど、家を出た時、雲一つ無い青空だったから、傘は持って行かなかった。 その所為で、帰り道にいわゆるゲリラ豪雨に遭って近所の公園で雨宿りをする羽目に。
「あーもう! 最悪、せめて折り畳みでも持っとくんだった」
屋根付きのベンチに避難した私は、自分の迂闊さに悪態をつきながら濡れた髪と制服の水気をハンカチで出来るだけ拭き取っていった。 雨の音と水気を拭くに気を取られて後ろから近付く気配に気付かなかった。
「!?」
突然後ろから口を塞がれて訳が分からず思考が追い付かなかった。 その一瞬の内に人の手が私の体をまさぐり始める。 そこで来てようやく理解が追い付いてきたの、襲われているって。
「ゔー!」
脱け出そうと必死に抵抗したけど、力じゃ敵わなくてそのままうつ伏せにベンチに押し倒された。 難とか横目で相手の顔を見ると、目出し帽を被っていて誰かは分からない。 鼻息を荒くして強引に私の体を触りまくり、そして私は経験したことの無い痛みに襲われた。
「!!!!!」
余りの痛みに一瞬息が出来ず、更に電流の様な痛みが頭や全身に拡がって体が痺れ抵抗する事が出来なくなってしまった。 痛みの原因は解っていた、解りたく無いけど解ってしまった。 返される痛みの中、私は只々この悪夢が早く終わることを願った、出来るなら本当に夢であって欲しいと。 痛みじゃなく別の理由で涙が零れた。
文字数に関しては、決めずに切りのいい所で行こうかなと思ってます。
ここまで読んで頂き有難う御座いました。