万能なる力
どうぞご覧下さい。
「フッ感心するのはまだ早いぞ」
「まだ何かあるの?」
「まあ見ておけ」
ルシフェルさんは改めて健汰の方を向いた。 落ち着かずキョロキョロしている健汰だったが、視線に気付き後ずさる。
「先程も言ったがこの空間は我が魔力で作った物、となればこの中には我が魔力が満ちている事になる」
「成る程……確かに」
私は肌から伝わるその膨大な魔力を感じ取っていた。
「そして当然その魔力を自在に扱う事が出来る、この様にな、“捕らえよ”」
そう言いながらルシフェルさんが指を鳴らすと何も無い場所から鎖が飛んで来て、健汰の四肢に絡み付き体を宙吊りにした。
「あ゛あ゛あ゛! 痛い痛い痛いよ、かのちゃん助けて!」
鎖に四肢を引っ張られて相当痛いのだろう、健汰が泣いて私に助けを求めている。 それを無視してルシフェルさんにどうなって居るのか聞いた。
「いきなり鎖が飛んで来たけど、これも魔力なの?」
「そうだ、魔力を圧縮し形作る、創造力が大事だ」
「ふむふむ」
「更にこんな事も可能だ、“黙れ”」
ルシフェルさんが魔力の籠った言葉を発すると、泣き喚いていた健汰が一瞬で黙った。 閉じられた口でんーんー言ってる。
「わっ凄い。 魔力万能過ぎ」
「まあ、本来我ならば言葉にせずとも可能だがな。 そなたに分かりやすくして見たのだ」
風邪が振り返しちゃった。
ここまで読んで頂き有難う御座いました。