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冥土さんが往く  作者: セフィール
メイドの始り
6/20

黒と白

 次に会いに来たのはは最年長組にして私の研究仲間兼友達!

 原初の黒(ノワール)博士と、助手の原初の白(ブラン)ちゃんだよ!


「ちょっとちょっとメイちゃん。私はこいつの助手になった覚えは無いわよ!」


「え、違うの!?ランちゃん。」


「違うわよ!」


「違うの?博士?」


「いえ、私は助手だと思っていたのですが。実験にも付き合ってくれて大変助かりましたし。」


「それはあんたが無理矢理試作魔法なんて撃ってきたからでしょう!?」


「…それ本当?」


「ええ。【強制着せ替え魔法】というのですが…ブランにモヒカンは失敗でしたね。」


「ハッ倒すわよ!」「何それ見たい!」


「それでは、」


 パチン


「ちょっ!」


「ブッ、何これ面白い!ぷ、クフフ、グフッいや、これは傑作だわ。博士最高だよ!アハハハハハ」


「笑ってんじゃないわよ!」


「んー。やはり失敗ですね。」


「ブッ殺されたいのかしら!いいから早く戻しなさい!」


 そこには、世紀末モヒカンの、顔を怒りに染めた白髪美女がいた。

 ちなみに、普段のブランちゃんは、キリッとしたいかにもできるって感じの白髪美女。私の友達で、私はランちゃんて呼んでる!

 ノワール博士は好青年て感じで優しそうな黒髪イケメン。いつも白衣を着てる。私の研究仲間で、法や術の類なら私より上!私は博士って呼んでる。


 よし、とりあえず、特に仲の良かった子には挨拶できたね。最年長組は後9人いるけど、他の子達とは仲があんまりよく無い、というかほとんどの子が私に仕方なく従ってる子ばっかりだったしね。

 それじゃあ、そろそろみんなで集まって作戦会議といこうかな。




 ==========

(本当に、相変わらずね。)


 目の前で、爆笑しているメイちゃんを見てそう思う。

 ノワールも、私と二人で研究している時も楽しそうではあったけれど、やっぱり、メイちゃんがいないとしっくりこない。

 数百万年前、メイちゃんが自分に呑まれたとき、ノワールが、もう目覚め無いかもしれないと言って、私はとても取り乱してしまった。

 それでも、すでに立ち直り、メイちゃんはいつか目覚めてくれると信じられたのは、ノワールのお陰でしょう。

 ノワールはメイちゃんが眠りについても、それまでと変わりなく、ひたすら研究に打ち込んでいた。それに私も付き合わされたのだけど、それで気づいたわね。ノワールは、メイちゃんならいつか目覚めると全く疑わずにいた。その揺るぎ無さに私も救われた。それには、感謝しているわ。

 …無理矢理ふざけた実験に付き合わされるのは勘弁願いたいけれど。


 ノワールは強い。その力も、在り方も。

 私も原初という、最強の一角に名を連ねてはいるけれど、ノワールには敵わない。戦闘力では、原初の赤(ルージュ)原初の黒(ノワール)原初の金(ドウル)が頭一つ抜けている。次点で、原初の白()原初の銀(アルジェント)。そしてその他といった感じね。

 ノワールは、異端。いいえ、異常と言えるかもしれないわね。

 悪魔の中で唯一、力を求めない。全く求めないという訳では無いけれど、積極的ではないわね。なのに、武闘派筆頭の赤や、自分が至高の存在であろうとする金に並ぶ強さを持つ。

 基本的に悪魔は、自分の系譜の源流である、原初に性格が似る。

 赤の系譜は血の気が多く、金の系譜は傲慢。

 なのに、黒の系譜は、テンデバラバラ。個々がそれぞれ全く違った在り方を持っている。そして何より、圧倒的に数が少ない。黒の次に少ない金の、百分の一以下といえばその異常さが際立つ。

 ノワール自身は、未知というモノに関心を抱き、それを解き明かすことに至高の喜びを感じる。控え目に言って変態ね。

 そんな変態と一緒にいる私もおかしいのかもしれないわね。

 ノワールといると、飽きることはないわね。メイちゃんまで戻ってきたし、また面白くなりそう。

 私も友達として、助手として、手伝いましょう。




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