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冥土さんが往く  作者: セフィール
メイドの始り
2/20

誕生

 全てを思い出した。


 そして、二人は融け合う。

 かろうじて二つに別れていた自我が、存在が、一つになっていく。

 しかしそれは、お互いが望んだこと。

 二人の目的は、同じ。

 最高のメイドになること。

 お互いがお互いを求め合う。

 足りない部分を補うために。

 本来、圧倒的に格上であるメイズが、圧倒的格下である深羅を呑み込むのが普通である。

 しかし深羅は、その異常な程に強い精神と、魂で、自分すら呑み込む、その神々以上の力に、存在に、格に、張り合っている。



 そして二人は、一つになった。


 メイズの圧倒的な力と深羅の異常な精神力を併せ持つ存在。


 曾て二人が求めた、最高のメイドが、誕生した。


 それは、自分の存在を確かめる。メイズとしての記憶も、深羅としての記憶もある。

 自分はどちらでもありどちらでもない。

 しかし、迷いなく自分を定義する。

 自分はメイズ。メイズ=アビスラートだと。

 全ての悪魔の母であり、故郷である深淵そのもの。あらゆる技術を極め、神すら殺した最強で完璧な存在。

 そして、いつか出会う至高のお嬢様の、忠実なるメイドであると。


(けど、少しリハビリが必要かな。)


 いくらあらゆる技術を極めたと言っても、長い間眠っていたため、少し腕がなまっている。

 その上、溝淵 深羅の影響も詳しく調べなければならない。


(後、私の子や孫くらいには顔を出しに行こうか。永らく眠っていたため心配をかけただろうし。っとその前に。)


 メイズは“形”をとる。

 メイズは深淵。形などなく、概念そのもののような存在。

 しかし、自分はメイドだ。メイズ=アビスラートだ。

 ならば、相応の格好をせねばならない。


 そして、顕現する。

 絹糸が霞むような、柔らかく、繊細な、蒼と黒のメッシュの入った美しい銀髪。

 どの宝石もかなわない輝きを持つ、朱と金の眼(ヘテロクロミア)

 瑞々しく、透き通るような白皙の肌。

 どこか冷たい雰囲気を漂わせながらも、美の女神が裸足で逃げ出すような整った容貌。

 美しい丸みを帯びた、華奢な体。

 それを包むは、極上のメイド服。頭にはホワイトブリム。

 それは、まだ人間であった頃のメイズの姿。

 そして、溝淵 深羅がゲームで作成した、メイズ=アビスラートである。


(この姿も、久しぶりだね。さて、時間は無限にあるとは言え、有効に使わないと。まずは…よし、できた。)


 究極の概念存在であるメイズにとって、時間とは有って無いようなもの。しかし、ただただ暇を弄ぶようなことはしない。

 そしてメイズは、あるものを作った。


 _________________

 メイズ=アビスラート


 LV.3375


 種族:深淵(アビス)


 職種:深淵冥土(アビスメイド)LV.1000


 HP:∞

 MP:∞

 SP:∞

 力:372591108475936215874659078542219731546

 頑健:372591108465479527811666741227539114712

 魔力:97826412576651145669877122566699772256994

 俊敏:523698457112566900571236650412269876952


 スキル

 料理LV.299

 掃除LV.299

 洗濯LV.299

 裁縫LV.299

 食器戦闘術LV.299

 筆記LV.299

 鑑定LV.299

 炎魔法LV.299

 水魔法LV.299

 回復魔法LV.299

 剣術LV.299

 隠密LV.299

 錬金術LV.299

 闇魔法LV.299

 光魔法LV.299

 時空魔法LV.299

 ・

 ・

 ・

 etc.


  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 それは、ゲームのメイズの、ステータスだった。




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