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烈火のごとく  作者: 八橋 京人
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皇帝の火が落ちる。

1946年2月、ブリテン島に取り残されていたドイツ軍約30万が降伏した。ノルマンディー上陸後、制空権、制海権を奪われ、攻勢に出ることも、撤退することも出来ず悪戯に物資を浪費し、名将カルタス将軍の指揮下の一個機甲軍団は戦闘を殆ど行わず投降することとなった。

連合国は、エディンバラでの降伏交渉終了後、早急に陸軍部隊の上陸を開始し、二ヶ月後にはアイルランド島を含む全域を制圧した。アメリカは戦時量産型の護衛空母、オアフ級五十七隻に目一杯に分解された新型重爆B-31を積み込み、東海岸から輸送を開始。制圧完了から半年後には英国を巨大な航空要塞とし、B-31を200機運用可能にした。



旧英国領の失陥後、ドイツ大本営はボルマンの命令に従って、アルデンヌ高地から突破作戦を開始し、これの奪還を目指した。難敵であったタイガー戦車の新型、キングタイガーと名付けられた重戦車の攻撃にアメリカ軍の主力重戦車T35は全くもって対応できず展開した防衛戦も難なく突破されてしまった。たった1日で80キロもの前身を許してしまい、その中で約8000名のアメリカ兵が包囲され、殲滅された。しかしその後、ドイツ軍は積極的な攻勢を控え、前線での挑発を行うようになった。


オスロ、北方軍集団司令部

「シュテット軍需大臣、2256爆弾の試験はいつ頃になる予定だ?」

「本日の0230を予定しております。1100には隣の航空基地から輸送機を出しますのでそれで移動します。」

「ついに完成したのだな、シュタインマイアー博士は最初はタヌキにしか見えなかったが、よくやってくれた。この功績は全ゲルマン民族の中でも至高に近いものだ。」

「しかし、使用されるのは良いのですが、博士は、投下後直ぐに被爆地に生物が侵入するとかなり有害だそうですが…」

「最優先事項は、我が国の領土を犯すアメリカ軍とスラヴの赤軍の殲滅だ。領地の奪還ではない。局地的に制空権を確保すればギガントの使用も可能だ。」

私は、ドイツの総統として、我が国を勝利に導かなければならない。雑種のアメリカ人と、スラヴ民族の赤軍、黄色人種の日本人に我が国の偉大なる力を示し、なんとしても講和を実現させる。残念だがこのまま戦争が泥沼化すれば我が国は敗戦してしまうだろう。しかし、奇跡の兵器が今日完成する。

「総統閣下、お時間です。」

「うむ、今向かおう。」



輸送機は50機以上の護衛機を率いて、ノルウェー中央のローヌ・トロンデラーグ県に到着した。





そして、午後2時32分、人類初となる核実験が行われた。




アルデンヌでの大敗後、再度の攻撃に備え防衛陣地を構築していたアメリカ軍20万からの連絡が突然途絶えた。すぐに調査に向かった偵察機はそこで信じられないものを目にした。



半径10キロに渡って、広大な森林地帯が焼き尽くされていたのである。


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