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吸血鬼と踊る狐  作者: 八九味
別館編
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別館編.第三十四章 遺して繋いで

 こんなところに居てばかり。操られては裏切って

 結局今のわい。何しとるんやろ。格好悪い人間ってこういうあいまいな

人間の事やないんか…

 今のわい。生きてるようで生きてない人形みたいなもんか…

ーーー22日目 夕方ごろ 別館入り口ーーー

 レピニアはあれからどうするべきかと悩んでいた。

自身の立場としてどうあるべきか。そしてこれからどうしていくべきかと。別館を出てまた本館を探すべきか…そう考えているうちに

どうすればいいか分からなかった。

 レピニアは別館入り口付近にあったタンクを持ち歩いて使い道も分からずただ

呆けていた。

そんなところに意外な人物がやってきた。

???「あんた…レピさんか!」

レピニア「ああ、シグマやん。いつぶりや。」

「なんだあんた元気ないなあ。これ食べなよ。」

 そういって差し出されたのは緑色のケーキだった。見たこともない色の

食べ物だったがそれ自体は何も疑問に持たなかった。この屋敷に来てからそういう物ばかりだったからだ。

でも彼が差し出すそのケーキからは異臭がはなたれていた。何より

”彼にはレピニアに恨みがある”

 今ここで食べ物を受け取って食べてどうなるか分からなかったが差し出す彼の目にはどこか殺意を感じるものがあった。

「それはなんや。そんなもの食えるか、今能力使っとらんから嗅覚もしっかり

しとるけどそいつからはいやーな匂いがする! 自分何入れたんや!」

「は? あんた一度俺とリオネに負けた身だろ? 俺があんたより年下だからって何でもかんでも答えるかよ。」

「いや純粋な疑問をぶつけとるだけや。悪いけど毒物の匂いがする。」

「もう無理なんだよ…こんなところに居ると精神もすり減るし…」

「本性表しよったな…」

 明らかにシグマは疲弊しきった顔だった。生気も感じられずかといって誰かに

操られている感じではなかった。

「リオネちゃんもどっか行ったし…返せ…返せよ!! 

僕の相方リオネちゃんを!!」

 そういって手に持った緑色のケーキのようなものをレピニアの口目掛けて持ってくるものだからついレピニアは抵抗してそのケーキを取り返す。

「せやったらお前が食べろや!!!!」

 はっ。そういったのも束の間。シグマは血を吐いて苦しみだす。

 ゴボッ!! ブハッ… 

「そ…それでい…いいよレピさん…あんた…どうせ悩んで…いたんだろ…」

「なっ。ご! ごめん! どうすれば…やばいやばいやばいやばいやばいやばい。これは殺してしまったって事なんやろか。ごめん!! シグマほんまに…

そ…そんなつもりじゃなかったんや…」

「こ…このノートを…」

 そういってシグマは震える手でくしゃくしゃのノートを渡してきた。

「もう立ち止まってる場合じゃ…ないんだ…誰かのい…命を犠牲にしても…」

「喋んな!!!! もうそれ以上…喋らんといてくれ…頼む…わいには…」

「いいんだ…もし拒否されてい…いなかったらケーキは…あんたに食わせる直前で俺の口に放り…こんでたさ…。そ…それとさ…リオネちゃんに会ったらい…

言っといてくれよ…だ…だいすきだよ…リ…」

 その言葉を最後にシグマは力尽きてしまった。

「お前の真意がわからん…なんでこんなことになってもうたんや。」

 シグマは泣いた。ただ泣いた。初めて行うそれが殺人になってしまったと。

 泣くだけでは仕方ないと思い貰ったノートを見返すととんでもない量で

書き記してあった事に驚愕する。

ーーーシグマの遺したノートーーー

 これから書く事は誰かに託す。リオネちゃん以外の子に一対一で会った時。

さっき部屋で見つけた

毒物を塗り込んだケーキを食べて死のうと思う。もう色々と限界だ、こんなところに10日…20日と居て

精神を病んでいる子が出てきてもおかしくない。助けの来ない絶望的な状況の中

自分のみじめさに気づいたから死のうと。でも誰もいないところで死んでも

いつ見つけてくれるか分かんない。だからこんな手段に出た。でもどうか弱い俺を許してほしい。

 シャトーが考えていることは分からない。でもきっと別の場所に連れていきたいんだと思う…

俺は実験体としては行ってない。透過能力を使って五人と早々に逃げ出した後、

実はシャトーから変な話を聞いてしまってね…そこは王国らしいんだけど

”狐人を最上級にしんこう?しているらしい”。しんこうが何かまでは

分からなかったけど狐人は宝の様に扱われるらしいんだ。だからシャトーが

そのおうこく? に連れて帰って手柄だと知らしめたいんじゃないかって。

あくまで俺の推測交じりで申し訳ないけどそう聞いてしまったからね…

 それ以上は分からない…

 あと、一人本読むのが好きな女の子がいただろう?もしかしたら忘れてるかも

しれないけど五人のうちの一人さ、彼女もね。あの子は本と本を行き来できる能力が使えるようになって一回本に乗り込んでから出てこなくなっちゃったからその子の事は…多分王国にでもいるんじゃないかな? 本が王国の物だったらそっちに

行けちゃうしね…分かんないけど…

 最後に、王国に最初に着いた狐人に関してなんだけど。その子がもしも悪に

染まり切っていたら王国は悪の方向に進むかもしれないんだ。今その国は王様の

けいしょうしゃ?を探しているらしい。

それが狐人になるかもしれないんだって話。普通はおういけいしょう?っていって

継ぐ人は決まってるらしいって本でさっき見たんだけど下手をすれば…

狐人が王になる事だって出来ちゃうわけなんだ。

分かんないけど、胸騒ぎがする。死人は力になれないけど

このノートを見る人がいい狐人でありますように…


 その遺されたノートを読んだけどその場にへたり込んで体育すわりで顔を伏せてしまった。

レピニア「こんな…わいは…わいはどうしたらええんや…皆…皆死ぬんや…」

 この様な状況ではノートの内容も頭に入らない。どうせ自分も

死んでしまうんだろうと嘆くばかりの繰り返してただただ無意義な時間がコツコツと進んでいく…

 そんな中誰かがやってきた…

???「そ…そんな…シグマさん…?」

 しまった。わいではない。そう心の中では思っていたのも束の間。

それを見た人物はタイミング的にも最悪だった。カマンが目撃をしてしまった。

カマン「レピニアさん? あ…あーあ、やっちゃったんですねとうとう。」

「そうや…やってもうたんや…」

「いいですよっ。ぜ~んぜん。これは内緒にしておきます。その代わり、一緒に行きません? 王国に」

「そ、そんなことを言うてる場合やない…」(なんでこいつこんなにはよう気持ち

切り替えられるんや…)

 その後ろからこの状況をもう一人見ている人物がいた。

???「あ…あ…」

カマン(しまった、後ろから来ていた…!? 私の背後にだと…しまった。しかも変な奴に見られちゃったな)

 来ていたのはエイ。本館からカマンの後ろをつけていたかどうか定かではないがシグマが一人倒れている状況をカマンとレピニアが近くにいてその状況を

見てしまった。

カマン「や、やあエイちゃん。クラスでもあんまり面識なかったけど、分かるよね?私が人殺しなんてするわけないって。」

 そんなことを言おうがエイは一人酷く怯えていた。

「辞めてこないで! 二人でやったんだ! 二人でシグマ君を殺したんでしょ!」

レピニア(確かにわいだけが殺した言うなら分かんねんけど今エイちゃんが

出てきたのってカマンが来てからほんの数分。本館から別館に移るためのこの廊下は二回ほど曲がる必要があるから本館から別館のドアは見えん仕組みや…んで数秒後に来た言う事はカマンが別館に行く姿を見ていないと説明がつかんはずや…

せやけどこの動揺は何なんや…ほんまにカマンもなんも関係なく別館にたまたま

向かうつもりだったって)

「な、何を言ってるのエイちゃん。そんな怖い顔し」

「黙って。逆に二人は平気なの!? そっか…二人が殺したんだもんね。

殺人って奴…なんだもんね」

「いや待ってほしい、わい一人が殺したんや。カマンは関係ない!!!」

「私には戦う術がない。だけどこういう事ならできる…」

 エイの能力は”テレパシー”で目をつぶっている間周囲の状況が把握できる。特定の範囲の人物の脳内に語り掛けるという能力がある。

エイ「私だって何もしてこなかったわけじゃない…テレパシー・コア!」

 テレパシーの性能を最大限に上げて脳内に語り掛けた上で”ある程度の行動を

命じる事”が出来る。人数も二人まで可能になる。

 二人の頭がズキンズキンと響く。金属音のような音がエイの周囲に鳴り響く。

(別館に戻り24時間は本館に向かうドアを開かない事)


ーーー別館ーーー

 二人は慣れない音を聞いたせいで少しの間別館のドアを開けた先の所で

倒れていた。

カマン「なんだあの能力は…最悪」

レピニア「う…うーん」

「ちっ。仕方ない。この人は放っておいて先に行こう。あれ…私本館に戻ってやりてえ事も…ま! いいか。私は私で王国に一人で行かせてもらう。誰にも邪魔は

させないから。」

 テレパシー・コアの強制力は命じた種類にもよるが凄まじく強い。その命じた事に背いたことをしようが、絶対に不可能。ただし時間制限を設けるなりしないと元々効かない上、まありにも強い命令なのに時間も一週間効かせるといったことは流石に不可能である。


登場人物

レピニア

ケーキを差し出されて素直に食べなかった結果シグマを死なせてしまい自責の念に駆られてしまう

シグマ(癒)(毒入りケーキにより死亡)

レピニアにケーキを食べさせようと思わせて投げ返される事を考え、結果的に自身で食べることにより毒を摂取して死亡。

男には珍しい癒炎種であったため狐人にとってはとても痛い

死者を出してしまった

カマン

レピニアが殺したと思い込み、シグマが死んだことを驚きはしたがすぐさま気持ちを切り替えて王国に行くことを誘う

エイ

本館から向かうカマンを見かけていたのかどうかは不明。シグマが二人のそばに

倒れていた事を目撃して酷く動揺。能力を発動する。

能力:テレパシー

目を瞑ることが発動条件。その間だけ周囲の状況を把握したり特定の距離の内一人を選んで脳内に語り掛ける事が可能。

派生:テレパシー・コア

テレパシーの性能を最大限に上げて脳内に語り掛けた上で”ある程度の行動を

命じる事”が出来る。人数も二人まで可能になる。その際周囲に金属音が鳴り響く


 もう少しすれば2026年になります。偶数年の方が個人的に好きなのでいい年にしたいです。

そもそも奇数というのは奇怪な数と書いて奇数とも読み取れるので偶数の方が見た目的にも

計算に用いる際でも綺麗な結果に収まりやすいのでそういう意味でも魅力的です。素数も

2以外の偶数は絶対当てはまりませんけど素数って言う概念も面白いですよね。

 確かヒマワリの花の中の種はフィボナッチ数列といった配列で並んでいるらしいですよ。

神秘的というかなんというか…

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