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吸血鬼と踊る狐  作者: 八九味
別館編
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別館編.第三十二章 結界って奴は

ーーー霧刑平原内ではーーー

 現実世界で時間が経つ感覚とは違いお腹が空いたり眠くなるという感覚も遮断され、時間間隔も存在しないため二人の狐人はただひたすら戦い続けていた。

マボー「なんだなんだ、幻炎種っていっても大したことねえな。こんくらいでしりもちついて、情けないっていうかなんか幻滅だな。ハッハッハッ。」

フォル「酷いよ…僕なんて一人でずっと戦っているのに全然勝てる気が…」

リオネ「妖狐術・十六 かまいたち」

 鋭い斬撃がたちまちフォルを襲う。

 その前も、いつ終わるかわからない魔法の連続に体はズタボロだった。体に切り傷が何か所も付き、炎で何度も焼かれ、意識が朦朧とするがウーペリの作り出した別空間。霧刑平原の中では意識を失う事すら許されなかった。

「ねえ、どうするマボー。もうフォル君で試しても魔法使いとしての技量なんてわからないよ…」

「ああ、そうだな。無理して試す必要もねえがこの際…」

「一体どうしちゃったんだ! も…もう目を覚ましてよ。きっと夢なんだ。この現実も…はぁ。はぁ。

そしてこの場所も! リオネが僕に攻撃してくる事も!」

「は?」

「だっておかしいよ。僕たちは仲間を傷つけるような種族なんかじゃない。ここは絵本で見たような地獄なんかじゃないんだ!」

「はぁ…知ったような口を。」

「どういう事…リオネも何も知らないでしょ!」

「ごめんごめん、でも別に間違ったこと言ってないよ。あんまりにも見当違いな事をフォル君が言うもんだから…私たちとっくに目なんて覚めてるよ。ここは地獄。フォル君こそ目を覚ましなよ。」

 彼女が淡々と口に出す言葉の節々には何か強い念のようなものが込められていた。

「僕が一番正気だよ!!」

「幻炎種が聞いて呆れた。ここはとうに地獄だよ、狐人同士がうたぐりあい殺し合い、操られ、そして狐人としての尊厳を失い、それが地獄じゃなくてなんだ。フォル君が一番異常な感性してるよ。」

「なっ…」

「普段何考えてるかわからず生きるのは勝手だけどそれ以上的外れな事ばかり言うなら…殺すよ?」

「へっ。ここでは殺せねえと思うけどな。多分能力者当人が気絶でもしてねえとおそらく解除はされねえ。」

「だってさフォル君。じゃ、とっておきの魔法行きますか。私の最強の魔法使いの第一歩の道。」

 妖狐術:二十五…狐霊砲これいほう!!

 特別でかい…とても避けきれない。こんな空間ですら絶望が広がるようだ。

 きっとケガじゃすまないんだろうなと。距離が開いているのにそう思った。

 緑と青のオーラが混ざったような、初めて見る感覚。距離が空いてはいたもののどんどん近づく物に絶望感を抱いていた時、ふと別の感覚がよぎる。

 ふっ。とどこかに移動した感覚。そう。この”霧刑平原”の能力がウーペリが気絶したことにより解けたのである。しかもタイミングがリオネが魔法を放ったタイミングで最悪だった。

 戻ったのは術を掛けられた倉庫内だったけどそこで放たれた魔法はフォルがとっさに体制を変えたおかげで避けられた上に後ろの壁に激突した。


 ゴゥン…………


 とてつもない砲弾で屋敷内全ての部屋には結界が張り巡らせてあるはずがそれに大きなひびが入るほどだった。

リオネ「あ、あれ。すごい威力…」

マボー「こりゃやりすぎだな。イカれた遠距離攻撃には変わりねぇがにしてもやるな。シャトーは結界術の天才だってのに。」

「マボーの魔法でしょうが…てかそのけっかいじゅつ…? ってなんなの?」

「ああ、結界ってのは簡単に言えば守りみたいなもんさ。自身につけたり武器に纏わせたり、物に纏わせたり用途は様々。結界術ってのはそれをひっくるめてそう呼んでるのさ。」

フォル「へ、へぇ。てか怖かったよ~。本当に死ぬか生きるかだった。頭の上かすめた気がする。」

「まあいいじゃない、結果的に何故か出られたんだし。そういえばさ、魔法の中にはけっかい? ってのが使えるようになる魔法はないの? 結界にヒビ入れられたんだし私も結界って奴使いたーい。」

「今知ったばかりで言葉ばっかり乱用してても頭悪そうだぞ。結界術ってのはそもそも特殊すぎるし魔法とは別の次元。話が難しくなるがシャトーを相手にすると考えてるなら突破方法は考えておいたほうがいいに越したことはないんだが結界を使うには結界術を教えてくれるやつに聞くしかねえんだ。魔術本の俺に聞くんじゃねえ、魔法専用だっつーの。」

「ちぇっ。つまんなーい。」


ーーー蛇のプレート部屋(隠し部屋)ーーー

シャトー(なっ。私の結界に衝撃が走った…!?)

 シャトーは結界術の天才。結界の全ての状況を常時把握しているためどこかで衝撃があればわかるがヒビのレベルまで来たのが初めてな事で少々動揺してしまった。そして今現在戦いの最中である…

ミーコ「んだぁ!? 今よそ見したよなぁ!?」

 ザンッ!!

 シャトーの顔に大きな傷をつける事に成功した。

「しまっ、スキが!」

 その際、シャトーは冷浪蛇兎レナミジャヴに攻撃をさせたがその反撃も読んでいたかの如く

斧を自身の前で高速一回転。

「ふっ、必殺”満月斬まんげつざん。私に攻撃なんて届かねぇよ!!」

 いや、違う! もう一本伸びてきてる。斬り切れていない…!? バカn…ゴキッ! 1本の触手にまんまと殴られるミーコ。

「まあ、少々油断しましたけど? 私のレナちゃんを斬り落としてくるところまでは想定済みとして…

えー、そうですわね。私のレナちゃんは五本まで同じ速度同じ距離であなたの所に攻撃しに行くとしまして…もう一本は違う角度から攻めてみましたわ。こういう攻撃も素敵だと思いませんか?」

 なるほど、私の満月斬は超高速に回転させはするがそれだけといえばそれだけ。あらゆる角度からとか遅らせてくる物にまでは対応できない…。

「へっ。くそアマが…お前だけは絶対ここで殺す!!」

「楽しみですわ。」

(にしてもさっきの結界に対しての衝撃…少々気がかりですわね…)


登場人物

マボー

リオネが埃だらけで保管されていた所を見つけた魔導書。30までの魔法が書かれている

フォル

リオネの魔法の実験の道具にされている…

リオネ

最強の魔法使いを目指している

妖狐術:二十五 狐霊砲

青いオーラを纏った超巨大なエネルギー波。当たればひとたまりもない衝撃波


シャトー

何年も何百年も前から生きている吸血鬼。結界術にとても自信がある

ミーコ

自身の能力を用いた狂気斧サイコサイスでシャトーと対等に戦い合う


 魔術本に狐の文字が入った魔法がある事に違和感を抱いた方は鋭いと思います。昔から存在しているはずの魔術本に何故狐の文字がある魔法があるのか…不思議だとは思いませんか?筆者も不思議に思います…


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