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吸血鬼と踊る狐  作者: 八九味
別館編
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別館編.第三十章 紅海月VS村一番の秀才男

ーーー本館 大広間ーーー

 あれから急いで鍵を持ったまま本館に到着する二人。到着してすぐに気づくその部屋の異様さ。

デク「ちょっと待った。何か…ペタペタと足音がする。ジーナちゃん隠れて。」

「ん。」

ペタペタペタペタ

異様な生物を目の当たりにするかもしれない光景を直前で想像する。今来た道をもどるとするなら話しは早かったがそれでも意を決してデクは体をその物の前に出す。

そいつは異様ではあったが何よりもボンが一緒にいることが不思議だった。

「き、君は誰だい。」

クラゲ「…やっと会えたぜ。感動そのものだなデク。」

ジーナ「あ、あれっ。なんだ味方なんだ、その冗談みたいな姿はなに? 口の悪さからしてクラゲちゃん? ミーコさん?」

「お前ら…これには訳があってだな。」

「いいよ別に。もう隠せねえし。私が自分の正体を教えることに意味はねえ正直な。今はそう。ただお前らに信じてほしいことがある。シャトーについての情報を沢山持ってきた。これをすれば私たちが絶対にシャトーを倒せるんだ頼む。」

 切迫した状態なのか、その透明で歩いてくる物は淡々と説明している。

(クラゲちゃんこんな子だったか…それにすごく焦っているかのようだ。)

デク「僕たちは信用できないね。」

「…仲間なのにか。」

「違うね。」

 咄嗟にデクはそう切り出す。

「仲間かどうかじゃない。この状況を冷静に考えてみてよ。今誰が仲間で誰がどうなってるかもわからない。こんな状況で誰かがしっかりしてないといけないんだ。ボン君が操られているかもしれない。今この状況で考えを張り巡らせなきゃいけない事くらい一番にわかっているんだ。僕は村一番で頭がいいし冷静に物事を分析できる。」

「へっ。なら戦いで決着がついたら言う事を聞いてくれよ。私たち仲間だろ?」

 クラゲは冷静に言葉を返すが内心は涙が出るくらいの傷を負っていた。ただそんなことを言っている場合じゃないのも自覚している上に真実を知ってもらうことが何より先決するべきことだという事も自覚していた。その択の葛藤の中で出した答えは”戦い”という事だった。

「そういう奴は仲間じゃない奴が言う事だ。ジーナちゃんはそこにいて。一対一でやる!」

ジーナ「へぇ…能力…いらないの?」

「不要だよ。僕は僕でやる。」

ボン「お前ら…」

「じゃあ行くよ!! 一発その冷静ですました顔ぶっ叩いてやるよ!!」

 クラゲは瞬時にデクのもとに触手を突き付ける。

 ”瞬”


 何っ!?

 クラゲは触手でぶっ叩いたつもりだったが目の前から即座に消えた。

 その場にいる全員が驚いた。

 デクにそんなスピードはない、そもそも戦いに向いた能力とは聞いていなかった。

「なんだい?このくらいで驚かれてもねえ!」

 そういってクラゲを驚かせつつも

「これは僕だけの力さ。”気配り無用ディサピアサイン”」

「気配が…ねぇ!! てめぇ檻の中で能力を無効化とか大層な事喋ってたじゃねえかよ!!!!!!」

 確かにデクは檻に捕まっているとき一番熱心に自分が習得するべき能力について語っていたはず。それはクラゲもうっすらと覚えていたはずだった。だからあんなに速く動けることが能力じゃないのであれば理解が追い付かなかったのだ。

ジーナ(これは…デク君の力…? 嘘だ。こんなに多種多様にできたなんて…)

「そうだろう。僕はいま気配を消している。」

「へ! 声を出せば居るって分かんだよ!!!! そこだああ!」


 触手を向けても向けても当たらない。そこにいるはずのデクに当たるはずもなかった。…が当たらないにしてもデク自体もクラゲにダメージは与えられない。

デク「”火炎弾かえんだん”!」

 炎は彼女の体にシュルシュルと吸収されていく。

 なすすべもないはずのデクも余裕の表情。

「無駄だ。悪いなデク。私炎利かなくなったんだぜ~だから仲間だと思ってた奴の奇襲ですら何一つ痛くもかゆくもねえんだ。」

「そうか。そういう体…特異体質…? これは。。。なるほどね!」

「へっ。すました顔がいつまで続くかな。」

「ジーナちゃん!」

「何よ。」

「能力貸して! ごめん不要とか言ったけど!」

「あっそ~。まあいいけどリンクする物ないわよ。」

「ない!! そうだね今はない!」

 壁際でふてくされて戦闘を見ているジーナの方に近寄りつつ

「”気配り無用ディサピアサイン”解除!」

 能力を解除すると共に後ろから超高速で迫ってくる触手が大きくデクを殴り飛ばす。

 ごはっ!!…触手の攻撃が0.2秒でこっちに…!そうかなるほど。

 …捕まえた! 今だ頼むジーナちゃん!!!!!!

ジーナ「はいはい。吹っ飛んだ衝撃で声出さないでよ。”スーパーリンクっ”」

「なんかダルそう!?」

 ジーナは触手に対してスーパーリンクをかけた。

「無駄なものは無駄だっつってんだろうがデク~!!!!」

 何かを考えている。そんな気はしていた。デクが頭いい事は村中の皆が知っている事だった。群一つ抜きんでているかのような頭脳明晰でいつも思いつかないようなベクトルからの回答で皆がデクに驚かされていた。ただそんなデクだとしても今の自分は無敵である、そう確信していたからの攻撃ではあったが次の瞬間デクが腰を低くして地面に触手を叩きつけながら拳を貫通させていた。

「なんだデク。そんな技…」

 うっ………

 次の瞬間クラゲは声も出せない衝撃が駆け巡った。

「そう、クラゲちゃんの弱点は物理攻撃が効かないんじゃない…それなら痛覚が無いのと一緒だ。」

「がっ…そんな…」

「言いたいことは分かるさ。僕は君に初めて攻撃をした。火炎意外はね。それでも利く自信があったのはクラゲちゃん自身が攻撃した際の反応が痛覚があるという反応だったからね。」

ジーナ「ど、どういうことなのそれ。私にはまるで」

「痛覚の反応って言うのは何も殴られた側だけじゃない。殴った側にも痛覚があれば”ちゃんと殴れた”ってなるんだ。それがあるからあのさっきのクラゲちゃんの攻撃があった。あれは痛覚がない場合は反応が変わるんだ。正確に言うと次の攻撃に移れる秒数に差が大きく出る。確かにクラゲちゃんのあの姿の特殊能力? かなんかで速攻攻撃に移れているんだとしてもそれをさっきなったばかりのクラゲちゃんが使いこなせるわけがないんだ。これで僕の言いたいことは終わり。」

 クラゲちゃんはデクが想定している以上のダメージを負った。一言も喋れず目の前がくらくらしている。

「わ、私は伝えたいだけなのに…」

 ドサッ。

 クラゲはその場に倒れこんだ。

「なっ…そんなダメージを与えたつもりは…!」

 せっかくの情報源が、そう思っても後の祭りであった。助けるにしても癒炎種としての回復方法でいいのかもわからないのだ。どうするデク。

ーーー研究所の中でーーー

 スラスラと優雅に歩くウーペリ。六輪のNo.2の猫と人が合体した猫人という種族。そんな彼女も今目の前にいる存在に行く手を阻まれている最中だった。

「…何ニャお前。そこどけニャ。」

「無理だねえ。あんたさ~勝手に動きすぎだって~の。」

「ちっ。狐人風情がいつまで上にいる気になっているんだニャ!」

「ほいっ。」

 爪の攻撃も軽々と避ける。

「あいさっ。」

「ちっ。避けるだけかニャ。"六輪のNo.1とも名高い元狐人さん”」

「そうだね~ロニちゃんは六輪のNo.1だねえ。ありがとうねえ。それで?」

「一度負けて六輪の株はダダ下がり、どう挽回するニャ? 骨男を呼ばれても困るんじゃないかニャ? こんなエレベーターの前でバチバチして誰が来るかも分かんニャいし」

「いいんだよ~それで。よっと。」

 そういうと鉄のパイプを出す。

「そんな何の変哲もないパイプで」

 そういった瞬間ロニの視界に入っている物に向かって移動してきたのかと思うと

全てがゆがむレベルの衝撃が走る。ウーペリも何が起きたか分からない。左に避けたはずだったが右手の方から肩にかけていびつな形に曲がっていた。

「ヒニャ…」

「この鉄パイプを舐めすぎじゃない? 神の井戸から取り出した武器なんだから何もかもあなたの上を行くんだよ。あーあ、せっかくの女の子の肩も台無しかっ…こんなに歪んじゃって。」

「ニャ…殺さニャいのかニャ…」

「結局万年狐人の下なんだよあんたって。猫人がどういう種族かじゃない。狐人がこういう種族なんだよ。」

「そ…その神井戸の武器は辞めるニャ…他にもあるニャろ…! それらはシャトー様の脅威にもなるニャ…」

「それが?」

「くっ……ニャにも…出来ニャイ…」


 研究室のところで一人うずくまるウーペリ。同じ六輪にやられた上に外傷は肩が酷い方向に曲がり腕の骨も骨折していた。

 研究所内にウーペリが瀕死のまま涙ぐむ音が悲しく響くのであった。


登場人物

デク

自身の頭の高さで大体の能力は見よう見まねで使えるようにしている

能力:???

技1:気配り無用ディサピアサイン

実際に当人が行っているのは気配を消しているだけ。その気配絶ちの極致にある技。気配を消している感じが強すぎて攻撃する側には何故か攻撃が当てたいのに当てられないと誤認させる。

技2:しゅん

実際にやっていたのはプレーン。その高速移動技を真似した物で目にも止まらぬ速さで移動する。

技3:火炎弾

狩炎種ならではの技。火炎を球状にして飛ばす

クラゲ

相変わらず不死の紅海月を発動したままであったがそれでもデクに翻弄され最終的には大事な情報を

伝えられず倒れてしまう

ジーナ

黙って壁際で二人のバトルを見守っていたが途中で助太刀を要求されたため能力を使う

能力:スーパーリンク

能力者が他の能力者によって留まっている物体を触る事で瞬時にそれが”能力で生み出されたもの”か

”元々そこに存在していた物”かどうかを判別でき、前者の時に効果を発揮しその触れた物質とそれを

生み出した能力者と痛覚のみをリンクさせ、一度衝撃を与えると解除される。

ボン

口出しもせず二人のバトルを見守るしかなかった

ウーペリ

六輪のNo.2。研究所のエレベーターを降りてすぐの場所で行く手を防いでいたロニと対峙するも

とてつもない怪我を負いその場に瀕死でうずくまる

ロニ

六輪のNo.1という事が判明。元狐人でシャトーに改造実験をされ体中はツギハギだらけ、顔にもその跡があり狐人の面影は少々薄い

能力:神井戸三種の神器かめいどさんしゅのじんぎ

神井戸という謎の所から生み出す武器。その種類は未知数

鉄パイプ:神井戸かめいどから取り出してきた武器の一つ。その鉄パイプと高速移動が繰り出す物は視界に移る物を瞬時に歪ませる。シャトーのかけている結界のおかげで衝撃は研究所を壊すことがなかった。

盾:???


 もう新学期。四月に入ろうとしています。筆者が好きでやっているFGOというソシャゲは一応有料ですが☆5鯖が確定で手に入るガチャを開催してくれています。こういうのは新学期のユーザーに向けたと謳ってはいますがこういうので助かるのって結局経験者なんですよねぇ。まあゲームの話を長々とする場所ではないのであれですが小説もまあまあモチベが上がってきてはいますがいかんせん現実の自身のメンタルケアが確実に終わっているのでもうちょっと何とかしたいところではあります。。。ね!

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