秘密基地とあの子、見守り
ーーー森の秘密基地 夜の23時ーーー
静けさに包まれる森の中、ススキが風に靡く。
そんな中イモーネは一人とある狐人を待ち望んでいた。
イモーネ「やっぱり来ませんか…うーん…心配過ぎる。でも自分から行くわけにもいかないし…」
ここの森にある秘密基地は村人も知らない、数人の狐人達だけが知っている場所。冬場で言えばかまくらのような物を森に作り秘密基地を構成。当然人目に付くような場所には立てておらず目印もないような場所にある上、周りの草木と同化して傍目からはほとんど分からない。
そんな時にどこからか足音が近づいてくる。ざっざっざっ。
足音はそれなりに距離のある歩けるように整地されている道を意図して歩いているのとは訳が違うのはすぐに気づく。普通は足音が小さくならなければいけないのに大きくなる。
だが誰か分からないのにうかつに動けない。
そう思っていた矢先
「あ…やっぱりいるんだ。イモーネ。こんばんわ。」
見てみると傷だらけの体。来てくれたのはいいが明らかに疲弊していて来てくれた嬉しさよりも心配が勝ってしまって良くない。
「うん! 居ますよここに。プレーンさんの事待ってたんです!」
「…やっぱりイモーネは…」
「? なんです?」
「いや、なんでもない。」
「はい! それより傷…大丈夫ですか?」
「うん。まあ傷は大丈夫じゃないよ。ガラスの破片も刺さってるしそこら中痛いし。」
「私狩炎種なので回復は出来ないですよ。ごめんなさい。」
「そうだよね。イモーネは女の子にしては貴重な狩炎種だもんね。まあ別に回復してもらいたくて来たわけじゃないし…」
女性は癒炎種として生まれてくる確率が極めて高く、そのためか狩炎種の女性の狐人は重宝される。だがイモーネの性格は少々臆病で自分からアピールもしない為特に重宝されている感じはない。
「そうなんですよねえ。まあでも来てくれてよかったです。」
「うん。ところでなんの用? ここに呼んだってことは」
「あ、その。特にそういうわけでは…ただ無事を確認したかったっていうか。」
「イモーネは僕を馬鹿にしているのか…?」
「いやその…なんていうか。プレーンさんを受け入れたくて。あんな目に遭っても最後に私が言い放った言葉を忘れずに秘密基地に来てくれて、それで」
その言葉の連続を聞いてもプレーンはなお折れることなく考えた結果
「受け入れることが優しさになると思ってるんだ。。。そんな励まし不必要だしプライドが高い人間はそれを受け入れないだろう。僕は幸いにもそうじゃないけど、辞めてくれ。僕はそんな言葉を聞きに来たんじゃない。もういい。」
そういってなぜ怒られたか分からない表情をイモーネはしつつもバイバイといい手を振る。明日も待ってるから。彼女はそういうがプレーンの背中は明日は来ないという強い意志のような物を感じさせる何かがあった。
帰り道。ざっざっざっ。聞こえるはずのない足音が聞こえてきた。森の中でも舗装されていない道にあるはずの秘密基地に明らかに近づいてくる。そう思って身を潜めたのも束の間、声が聞こえてくる。
???「いいんですよ隠れなくて。私は彼女のお母さんですから。何かあってきたんでしょ…?…警戒心を解いて。ぜひ少しだけでもお話ししましょ」
プレーンは警戒心を解きつつ居場所がバレているので無駄と思いゆっくり外に出る。そこにいたのはプレーンは初めて見るイモーネのお母さん。身長はざっと170くらいだろうか、女性にしてはまあまあ高身長である。こんなうす暗い夜の中でわかる事と言えばそれと透き通った声くらいだろうがどちらにせよ安心感のある声質だった。
「ここへ来たのは何も二人の関係性を壊そうとかそういう事ではありません。ただわかってほしいんです。娘がどういう人物かを。娘の事を大切にしていただけるのでしたらきっと力になります。彼女が今後どういう目に遭うかは分かりませんがそれでもどうか。」
話している内容の大半が理解できなかった。今後がどうだとか彼女がどういう目かどうだとか余りにも先の事を心配し過ぎて単に過保護な親なんだと。そう思って聞き流していた。
ただこれだけは言える。別に目を離したわけでも何でもないがイモーネの母を名乗る人物は自身が話したことに満足すると瞬時にどこかに消えた。
彼女が何者だったかは分からないが、とても不思議な人物に思えた。
登場人物
イモーネ
プレーンの事を秘密基地で待ってみた結果来てくれたので内心それだけで安心している
プレーン
秘密基地に来たが来るだけ損な気持ちをしてとぼとぼ家に帰ることになる
???
この人物は何を伝えに来たのだろうか
過去編はここらでストップです。謎の人物も現れましたがとりあえずこれからまた再出発していく狐人達の活躍を期待していてください!
もちろん過去編はちょくちょく挟むのでそうなったときはまたそういう目で見てあげてください!




