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吸血鬼と踊る狐  作者: 八九味
別館編
53/61

孤独

ーーー授与式から三日後ーーー

フォル「ふんふんふん♪今日は何を狩ろうかな。」

フォルは度々森に行き狩りをする。幻炎種の役割を全うするにも森を燃やすことが絶対にない幻炎種が狩りに行ってくれた方が村の人々も安全だった。それ故にフォルは報酬もたんまり貰っていた。だがそれらは自分が最低限必要なもの以外は全て村人の大人たちにあげていたのだった。

???「あ、あの。フォル君だ、だよね。」

「うん! そうだけど君は?」

???「私ユ、ユーキです。幻炎種ってな、なんかかっこいいなって思って少しお話いいですか?」

「いいよ。でもこれから狩りに出て村の人達に配るんだ。それ終わってからでもいい?」

「今がい、いいです。その…」

ん?とは思いつつもそれなら話を聞くかと思っていたその時どこからともなく声が聞こえふぉるはその場に押し倒された。

???「おらっ!」

何が起きたかは分からなかったが狐人に殴られたことはわかった。

???「ナイスだユーキちゃん。やっと捕まえたぜ幻炎種様よ。なぁ? 僕たちやっとこうやって話せて嬉しいよ。」

「いった~。何?」

???「僕はデク。ユーキちゃんを利用して君を捕まえたって訳さ。それ以外に何がある、幻炎種様はいいよね恵まれてて。」

 いじめっ子三人組。デク、ボン、ユーキ。ユーキに関しては利用されていると目の前で言われても何も感じていないのか平然と幻炎種を汚い物を見るような目で見つめていた。

ユーキ「き、汚い狐人。」

「汚い? 僕が? 僕は何もしてないよ。」

デク「はっ。汚いやり方って意味でもあるし物理的にも汚いかもなあ。僕達は君みたいなうぬぼれて平然と狩りに出かけているのを見ると吐き気がするんだよねえ。自分が恵まれた環境にいるとどうも勘違いしてるんだろうねえ。」

ボン「どうするこいつ。殴って縛り上げてもいいぜ。」

 ボンはフォルを抑えつけたままでいたがそのまますり抜けられるような感覚になりいつのまにか別の場所にいる。

 !?!?

「君たち僕と遊びたいのかあ。別にいいけど暴力は良くないよ~。」

「てっ、てめえ俺たちを舐めてるとろくなことがねえぞ。」

デク「ま、待て。今のは幻炎種特有の技か何かだろう。それに向こうは青い炎を出せるけど僕たちはここじゃあ炎を出して戦えない! 森を燃やすわけにはいかないんだ、くそっ!」

ユーキ「ひ、卑怯で汚らわしくてうぬぼれたか、勘違いな狐人さん。この村から出ていって」

 そう言いかけたときフォルは大きな声を出す。

「可哀想なのは君たちだと思うな。ユーキちゃんは利用されてて悔しくないの~? ボン君もそうだよね。デク君がリーダーか何か? そうやって言葉や暴力で責めたら何か楽しいの? 僕はこんなのに負けないよ。」

 どこかのほほんとした感じの顔。幻炎種が放つ特有のオーラは狩炎種達には異質だと感じさせつつもその言動や言葉の言い回しなんかは痛い所をついてきたりどこか無頓着ではあるが不純物の無い真水のような掴みどころのない物だった。

ボン「お前に何が分かる。俺たち狩炎種には狩炎種にしか分からない物がある。まるで姿も見せていなかったような奴に何が」

「分かんないよ。分かるか分からないか。その壁を君たちが壊しているんじゃないか。まるで初対面の子にそうやってやっているのかい? 僕だけにかい? 君たちがそうやって心の壁を塞いでいる限り何も分かんないさ。分からせてくれないのは君たちだよね。」

ユーキ「め、めんどくさい人。いこう二人とも。」

デク「君。もうどうなっても知らないからね。」

 ああ、閉ざされちゃった。静かな森でついつい呟いてしまった。


ーーープレーンの家ーーー

 カランコロン ガッシャーン

プレーンの親父「おいプレーン。何してる。まーた狩りに出かけて収穫ゼロかよほんと舐めてんのか。お前を産んだ母さんに謝れ。」

プレーン「ひっ。うぐっ。ご、ごめんなあ、あぐっ。」

 プレーンは日々虐待を受けていた。箒で思い切り殴られる日々。

(こ、声が出せない。殴られ過ぎてあざにもなって常にしゃっくりが止まらない。もだえ苦しみ、声も出せない。いつまでこの日々が続くんだろう。助けて。誰でもいいから。)

 お前は何もできない。

 物をなくし、頭も悪く、親の言う通りのこともできず。

 そういわれ続け感情を失いかける狐人には救いも何もなかった。

 ピンポーン

親父「はいよー。」

 ガチャ。親父がドアを開けるとイモーネという狐人がいた。授業に来ていない事を心配したクラスの子だろうか。そう思った親父ではあった。

「ん~? お嬢ちゃん名前は? 」

「イモーネです。プレーンさんと勉強したくて来たんですが今何かされてま…!?」

 見てはいけない物を見たような感じだった。奥でお母さんが確実に箒を叩いていた。ドアを開けたところからはプレーンの姿は見えずとも”音が人を叩くそれだった”。

 それだけで十分イモーネにプレーンが殴られていることを想像させることが容易であった。

「あ~。プレーンが名前だしてた、ああね。ん~。何か用?」

「プレーン君!!!!」

「お~おいおい、大きな声出すんじゃないよ。他の村の奴らに聞かれんだろうが。」

「プレーン君!! 待ってるから! 今日の夜まって」

「いい加減にしろ! ここは騒ぐ所じゃないんだおい!」

(イモーネ。。。いいんだ僕は、苦痛から解放さえされればなんでも)

「お母さんは何をしていたんですか!! 辞めさせてあげてくだあっ!」

 イモーネが大きい声を出さないように腹を思いきり殴ってしまった。」

「あ、やべっ。」

 ガタン! そういって扉を強く締めてしまった。

 あの時にプレーンの姿は見えずとも、あんな目に遭ってると知った以上より一層、力になりたいと。そう思うイモーネだった。

(あっ。オエッ。ハァ…ハァ…好きな人があんな目に遭ってる。私はどうなってもいいんだ。どうなってもいい。)


登場人物

フォル(13)

狩りを始めようとした所で恨みを持った狐人達に襲われる羽目になる

デク(13)

いじめっ子だった内の一人。幻炎種に対して恨みを抱いているようだが…

ユーキ(12)

いじめっ子(?)だった内の一人。幻炎種に対して恨みを抱いているのには変わりはないが…?

ボン(13)

いじめっ子だった内の一人。幻炎種に対して恨みを抱いているようだが…

プレーン(13)

普段から何もできず親のいう事を聞いてはいるがうまくいかず日々虐待を受け心身が疲弊している

プレーンの親父

プレーンにイライラしてほぼ毎日暴言を吐いている

イモーネ(13)

知らなかった現実を目の当たりにしつつも好きな人が酷い目に遭っていることで何か決意をする


 書いてなかった過去編を少し書いていきたいと思います。

 過去編を書くに当たってもちろんキャラ一人ひとりに焦点を当てて行っていますが抜けや矛盾等は正直あんまり気にせず書いていきたいと思います。

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