屋敷編.第九章 話が長い
17日目。夜通し戦う羽目になっている狐人のお話し。
???「強いなお前。名は?」
???「僕の名前はシビビ。どうもどうも。六輪の一人にそういってもらえて嬉しいですね。」
???「そうか。いい名前だな。俺は六輪の一人。カイコツ。六輪の中でNO.5だ。お前運がいいな。俺を崇めろ。そして俺の部下になれ。ちょうどいま探していた所なんだ。今戦ってみたところお前は強い。酔ってお前を失うという事は最大の選択肢を俺自身が潰すことになる。」
シビビ「うーん。まずそもそも聞くけど、崇めろって普通に使う事ないと思うんですよね。元々崇めてる人間に対して言ったところで自己満足だし今現在崇めていない相手に対して言ったところでそいつははいそうですかってなる訳ないんですよね。操られてるなら話は別ですけど。一言いいますけど。貴方はもう”選択肢の一つを潰してるんですよ。”その言葉”を吐いた時点で僕はあなたの下につく気はない。そもそも狐人としてのプライドも捨てた覚えはありません。今ここで貴方を倒します。」
カイコツ「めんどくさい奴だとは思ってたけどここまでとは。いいよ。意地でも洗脳してあげる。
君は間違いを犯してるよ。崇めろという言葉は決して操られてる人間以外でも全然効くという事をね。マインドコントロールさ。」
シビビ(コントロールって言っちゃってるし…)
シビビ「勝手にしてください。貴方はまだ私の能力を見破っていません。NO.5の座は空いたと他の六輪に僕が報告してあげますよっ!!!!!!!いざっ!!」
・・・・・・
同じく17日目。とある部屋内にて。
???「あんためんどくせーな。大した能力も使ってこずに格闘戦で私と闘るんかい?いいじゃんいいじゃん。そういうのあたい、好きだぜ。」
???「おーこわこわ。私そういうの大嫌いなので。貴方がご丁寧にそういう性格だから、私、発動条件満たしちゃった♡」
???「ん、あんたら能力も使えんのか」
???「まあ、半分正解って所ね。能力しか与えられてないのだから。も、という言葉遣いは可笑しいわよね。他の私の仲間にでもあったのかしら?私はノーザ。何事にも完璧なお姉さん、とお呼び。ひれ伏してもいいわよ。」
???「へぇーちゃんと名乗れるんじゃん。んじゃあたいも。あたいはミーコ。趣味は格闘技、あんたに格闘の神髄を叩き込んでやるよ。」
ノーザ「あら?その必要はないわよ。」
ブォン
部屋が真っ暗になった。
これはなんだ?
ミーコ「あんた、妙な技を使うんだな。部屋の電気を消して奇襲するのが趣味か?」
ノーザ「あら、違うわよ。目の前をよく見なさいな」
冷静に考えれば電気を消すにしては動作が見えな過ぎた。
先ほど自分がいた部屋は少なくとも私が憧れているプロレスのリングの規定広さくらいはあった。
とても大きな鏡があった。冗談とは思えないくらいの部屋を見渡す必要があるのか?くらいの四面、四方八方、ドアと天井意外に鏡の部屋。
証明を消すスイッチが一か所しかなかったとはいえ、リングの中央。。。とでも言ったらいいのか?中央でついつい相手と対になってお互いを見合わせていたにすぎない。
そんな状態で電気を消そうものならそりゃ気付く。
…
いや、目の前にいる。いる。真っ暗闇の中に目が慣れていないはずなのに相手が見えている。
ノーザ「ここは私の空間。いわば異世界。といってももちろん一時的になんだけどね。私はあんたみたいな子を待ってた。二人以上で入られていたらこの能力は使えないからね。「デッドリールーム」。それが私の能力。部屋一つに自分を除く一人しか部屋にいない状態で発動可能。そして私が提示するトランプゲームで戦う。私はトランプが好きなの。相手してくれるかしら♡」
ミーコ「なんだ?初めて聞く名前だな。どういう格闘技なんだ?」
ノーザ「あらやっぱり。知らないのね。トランプっていうのはカードゲームなのよ」
ミーコ「はぁ!?!?カードゲームだぁ?そんなんでどうやって決着をつけるっていうんだよ」
ノーザ「トランプは西洋かるたとも言い、色々なルールがあるのよ。そのどれもが誰かが考えたルールで勝敗の付き方もそれざまざま。スペード、クローバー、ダイヤ、ハート。四種類のマークが存在していて、それらに13の数字までのカードが刻まれているわ。13×4で52。加えてコイツ。ジョーカー。こいつは時には持っていては負けにつながる事もあれば出したら最強になることもある、ルールによって扱われ方が変わる特殊カードを一枚加えた計53枚で戦うのよ」
ノーザ「んだ、付き合ってられるか。」
暗い空間から出ようとしたらごつっと何かに当たる音がした。
ミーコ「いってー!んだ?壁・・・?」
ノーザ「ここは私が生み出した空間。暗闇というよりは暗い壁を一面に張った壁。その中で人一人がその貴方の目の前にある机の幅と同じだけの空間でしか横には動けないようになってるのよ。当然後ろなんか行けないし。まずどうやって抜け出そうとしていたのかしら。間抜けね。可愛い♡」
ミーコ「はっ、でもいいや。あんたみたいなかわい子ぶった奴叩きのめしてとっとと抜け出してやるよ。どうせあんたのところも壁が貼ってあるんだろうな。あんたが負けたらどうなるんだ?」
ノーザ「威勢がいいわね。勝者は何もないわ。負けた側はこの空間から出た直後、能力者本人を倒すまで一生、どんな方法を使っても回復が出来なくなるわ」
ミーコ「へっ、そんなもんか。私は狩炎種でね。臆病者が揃った癒炎種なんかとは違うんでね。」
ノーザ「損傷を受けないでこの屋敷を抜け出すことなど不可能。どんなに困ってもあなたがそのセリフを吐いているなら私はあなたの事、尊敬しちゃうわ♡」
ノーザ「あ、因みに、回復できない制約が一生つく代わりに負けた瞬間からお互いは屋敷のどこかの部屋に飛ばされるからすぐに対峙するわけではないわ。私は六輪の一人、ノーザちゃんよ。戦闘は専門外♡お洋服が汚れちゃうわ。」
ミーコ「長ったるい解説どーも。んで?ルールは?」
ノーザ「当然私が作ったトランプゲームで遊んでもらうわ。まあまずは机を出しましょう。」
そういうと暗闇の中に古びたちっちゃいビリヤードでもするつもりなのか?といった
周りの木の淵が少し高めになっているヘンな構造の机。
椅子が二つ。
ミーコは早く終わらせたいがためにスッと座った。
ノーザ「提示するルールは二つ。【HighandLowvision】攻撃側と防御側に分かれて戦う形式。貴方に向いているかしら?
このゲームではステータスという物があって体力は200固定。攻撃と防御のステータスを100で好きなように10の倍数で割り振る。例えばノーザちゃん。攻撃50。防御50。とかね?
ちなみに20未満には設定できないわ。最低でも20にしてね?♡
攻撃側は手札がない状態で山札から一枚山札の隣においてそのカードがマークを抜きにして数字だけを言い当てる。そのあとカードを攻撃側が発言した後にめくってどれくらいの差があるかを計算する。
そうねえ、例えば私が攻撃側として私の攻撃50。貴方の防御は50。
5と予想して出た目が8だったとするなら+3ということで差の数が【めくって出た数字に近いほど攻撃力が上がる】となって言い当てたなら相手はコールド負けだけど13/1だからまあポンポンでるような数値でもないわね。6以上の差が予想の数と開いていた場合は論外ね。攻撃力は×0。要するに体力も減らせずに番を交代って訳ね。
開いていた差が1で攻撃力30の上乗せ。2で25,3=20,4=15,5の差が開いていた場合は崖っぷちの見通し能力という事で攻撃力は上乗せ0の攻撃力。相手の防御力次第では実質無駄。
んでさっきちょろっといったけど相手の防御50と仮定するなら差が1の+30なら攻撃力+30の80から
相手の防御50を引いて30のダメージを貴方は受けるって事ね。
それを繰り返して言って相手の体力を0にした方の勝ち。」
ミーコ「んだか眠くなる解説だな。でもここにいると何故だか腹が減らねえ。昨日から何も食わずに脱獄してきたはずなんだけどな。」
ノーザ「当然ね。ここは切り離された一時的な世界。本体がさっきの部屋にある訳ではないけど説明が難しいわね。まあどうでもいいけれど。」
ミーコ「へぇ。んで?もう一個のルールは?」
ノーザ「あら。二個目を聞くのは野暮って奴よ。ここで一個目で戦う必要があるわね。因みにあなたから見たら左に白い板が浮かんでいるでしょう?それで点数だとか自動で計算してくれるから。自分の体力は確認しながらね。」
明らかに知らない。
こんなぺらっぺらのカードで戦うなんて私の知ってる戦い(ファイト)とは明らかにかけ離れてる。
異世界?トランプ?それにこの別に私が動かすでもないこのノーザとかいう奴が動かすわけでもねえこの白い板が勝手に動くっていう事自体全てが知識にない。
もしかしたら狐族っていうのが元々そんな頭がいいわけでもなくあのシャトーとかいう奴が全部作ったっていうのか・・・?
隕石で分断されてから知識を身に着けた私たち狐族だがこんな立派な屋敷がそんなときからあるとは考えにくいし、なんなんだ?鳥みてえに空でも飛べる奴がいるってのか?
それでここを抜け出せる奴がとっくにいるとすればこれは絶対他の奴らにも伝えなくちゃならねえ。
登場人物
シビビ
能力:???
シグマの能力で檻から早い段階で出たメンバーの一人
ミーコ
能力:狂気斧,未習得
斬った者の体力をその斧で与えたダメージ分奪って自分のものにする。
リスク:使用者は斧を出している時間だけ気力を吸われ続ける。
カイコツ.六輪No5
能力:???
ノーザ.六輪.No4
能力:デッドリールーム
特定の異次元(?)に飛ばす能力。
二種類のゲームのどちらかで相手に勝てば相手が一生回復できない呪いをかけ、術者と相手は
それぞれ遠くに飛ばされる。