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その後
「そうだ、これ」
買っていたクリスマスプレゼントを取り出す。
結局捨てそこなった奴だ。
「……あげるわ。 クリスマスだし……いらなかったら捨てていいわよ」
そう言って彼の胸に押しつける。
「お、サンキュ……いいじゃん、これ」
早速あけたサトにぃが言う。
そう言ってもらえてほっとする。
「でも俺何にも用意してない」
「いいよ、期待してない」
「おい」
まだ睨まれるけど、別に怖くはない。
「じゃあご飯おごって。 フレンチのフルコースが良いな」
「お前ここぞとばかりに高いモンを……分かったよ、今から予約取れるか分かんねえけど、とりあえずデートと行きますかね」
「デ!?」
てっきり否定されるかと思えば、彼は承諾し、しかもこれをデートと言う。
「はいけってーい。 んじゃ出掛けますかね」
そう言って、手を取られる。
「サトにぃは……」
こういう強引なところを直せば、女の子が寄ってくると思うよ?
「ん?」
「……なんでもない」
そんなの、教えてなんかやらないけど。
サトにぃは、私だけにモテればいいと思う。
そう思いながら、私も彼の手を握り返した。




