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第1話

新しい連載です。

甘々書きたいな!?っていうノリです、ハイ。

よろしくお願いします!

 ここはアンデルト王国。所謂剣と魔法の国である。

 この国では人々はみな魔力と闘気︎を持っている。中でも金、ライトブルー、エメラルドグリーンのいずれかの色の瞳を持つ人は魔力が高い。また、ルビー、琥珀色、深緑色のいずれかの色の瞳を持つ人は闘気が高い。

 魔力とは、魔法を使う時に消費するもので、魔力値が高い人ほど威力の高い魔法が使える。

 また、闘気とは、目に見えるものではないが高い人ほど剣の扱いなど武道に関しての能力が高くなると言われている。また、闘気の扱いがうまい人は剣に闘気を纏わせてより強力な攻撃をする事が可能となる。

 そんなアンデルト王国には幾つかの学園が存在する。

 その中の一つであり最高峰と言われているのが『アンデルト王国魔法学園』、『アンデルト王国武術学園』、『アンデルト王国算術学園』と同じ敷地内に立つ学園である。その3つに分かれる前には『中等部』というものが存在し、それが『アンデルト王国学園中等部』である。

 ここでは魔法、武術、算術の3つを幅広く学び各々が一番得意とする分野で魔法学園へ行くのか武術学園へ行くのか算術学園へ行くのか決まる。

 さて、舞台はアンデルト王国学園中等部。

 学園といえば楽しくキラキラとした生活を想像する人がほとんどだが、彼女━━━サラ・アルベマールにとっては地獄も同然だった······。






「ブース」

「バカはいらねーんだよ!」

「とりあえずさぁー消えてくんね?」

「はっきり言ってウザイんだよね」

「てかさ、死ねよww」

「〇〇まじそれな」


 ━━私、なんかしたっけ?何でこんなに言われないといけないんだろ。辛い。助けて。もう、死んじゃおうかな。あぁ、そしたらユリアが悲しむかな。


「・・・・・・け・・・て」


「あぁ?」

「もっとはっきり言えよ」

「まぁ聞こえても無視するだけだけどさ?」

「「「「「あはははははは!」」」」」


 彼らの声が遠ざかる。耳を塞いで縮こまっていた私はそろそろと顔を上げた。やっとどこかへ行ってくれた。······今日はまだ罵倒だけですんでよかった······。



「サラ!大丈夫?また色々言われたの?」


 ユリアだ。私の唯一の信頼できる友達。


「私は大丈夫だよ。ありがと」


 そう言ってまた強がる私は、サラ・アルベマール。ここ、アンデルト王国学園中等部の生徒だ。ちなみに銀色の髪の毛にエメラルドグリーンの瞳。それなりに透き通った色をしているので魔力は高め。だから魔法は好きだし、得意。

 私はこの学園でいじめにあってる。

 なんでかはよくわかんないけど。

 うん、なんでだろね。普通だったら頭がいいとか、容姿がいいとかで妬まれて、みたいなのが原因になるのかもしれないけど、生憎私はバカだし、容姿も普通。ほんとになんでだろ······。


「······ラ···!···サ····ラ!······サラ!!」

「え?」

「え?じゃないって!サラ···私サラの事が心配だよ。ほんとに大丈夫なの?」

「ごめんごめん。ほんとに大丈夫だから!ほら、次は······あ、魔導の時間じゃん、楽しみ!ほら早く行こ?」


 私のことを心配してくれてるこの女の子はユリア・ローレン。私の親友で、唯一信用できる人。髪の毛は深い青で、瞳も深い青色。めっちゃ青色。そして美人。なんで私なんかと友達になってくれたのかはわかんないけどすっごいいい人。魔法や、武術は普通だけど頭はすごいいい。将来は算術学園へ進むんだろうな。


 あ、私は魔法学園へ進むことが決まってる。

 エメラルドグリーンの瞳だからね。


 さて、次の魔導の時間はユリアとクラスが分かれてしまう。魔導と武術の時間だけは実力でクラスが分かれるのだ。

 武術は私もユリアも同じくらいの実力だから同じだし、算術はクラスが分かれることがない。

 そしていじめっ子はユリアがいれば基本何もしてこない。

 美人のユリアに嫌われたくないんだろうな······。もう既に嫌われてるけど。

 そう、つまりユリアと分かれてしまう魔導の時間は私にとっては苦痛の時間。さっき楽しみって言ったのはもちろん嘘。ユリアには心配掛けたくないし、いつも強がってるだけ······。

 しかも······


「おーいブス!ほらこっちで特別レッスンしてやるよ!」

「教師は今日はいないからな、なんでもできるぜ!!」

「ああ。とりあえず縛るか」

「【世界の草たちよ、我が呼びかけに答え縛れ!プラントチェーン】」


 シュルルルルッッッッ!


 私は特に抵抗せずに縛られる。ここで抵抗したらいじめがもっと酷くなるからだ。


 これがさっきまで憂鬱だった理由だ。

 私をいじめてる人は皆魔法が得意なのだ。

 そしていじめの筆頭生とも言えるランデル・ロットバルトは金色の瞳だ。この学園で一番の魔力量、そして技量を持つ。


「ほらっ行くぞ!【火よ!ファイヤーボール!】」

「こっちも!【風よ!ウィンドボール!】」


 ボンッ!ボンッ!


「······っ!····ぅあっ!い、たい······」


「あははははっ!ざまぁ」


 ······もう、やめてよ······、つらい······。痛い、よ······。


「うっ!······っっ!」


 ······いつまで続くのかな⋯。


「っ!」


 ⋯⋯。


 ⋯。




 ⋯⋯終わった⋯⋯?

 よかった⋯⋯。結局あの後授業が、終わるまで魔法をぶつけられた。痣がたくさん出来てる⋯⋯。


 はぁ。


「【聖なる光よ、癒せ。ヒール】」


 いじめのせいでこの魔法は得意になった。

 前は3回くらいかけないと痣は消えなかったけど今は1回で全部の痣が消えるようになった。

 うん、喜ぶべきことだろう。


 今日はいじめのせいで魔法の練習ができなかった⋯⋯。

 今日はこれで授業終わりだしここで自主練して帰ろう。

 ちなみにこの世界には火、水、風、木、光、闇属性がある。この6つは基本属性だ。適切属性ってものはなくて誰でも練習すればどんな属性でも習得できる。

 私は小さい頃から練習してたから基本全ての基本属性の初級魔法は使える。中級魔法までは風と木と火。上級魔法は水と光。

 そして、派生属性っていう炎、氷、雷、空間、天空属性がある。この5つは魔法学園へ進まないと学べない。難しい分、危険だからだ。

 まずは基本から


「【水よ!ウォーターカッター】」


 シュド!木に大きな切り込みが入る。


「【闇よ!ダークボール】」


 ドンっ!闇色の弾が触れたところから木が腐り始める。


「【聖なる光よ、癒せ!ヒール!】」


 木に入っていた切れ込みと、腐っている所が一瞬で治る。

 さっきランデル・ロットバルトが一番の技量を持つって言ったけど、多分私はランデルと同じくらいの実力は持ってる。

 皆の前では隠してるだけ。

 ⋯⋯ランデルは無駄に顔は整ってるからランデルと同じくらいの実力持ってるなんて知られたら何されるかわかるもんじゃない。

 今は男子からだけだけど、女子からもいろいろ言われるんだろう。


 ⋯⋯中等部は今年で卒業だ。そして今は2月。つまりあと1ヶ月で卒業だ。卒業試験はあるけどそこでいい成績を出せば他の学校と交換交流という形で転校が認められる。

 それ、目指して見ようかなぁ⋯⋯。結構いい案かもよ?

 うん、そうしよう!

 とりあえずユリアには言っておこう。


 その後も自主練頑張って家へと帰った。






「これだからお前はダメなんだ⋯⋯!!」


 バシッ


「キャッ!」


 下から聞こえてくる夫婦喧嘩。そう、うちの父親は酔うと暴力を振るうのだ。

 そして母親は父親に振られた暴力でストレスを持ち、そのストレス発散として私を使う。

 私は家でも暴力を振られてるのだ⋯⋯。これは誰にも知られてない、もちろんユリアにも。

 父親も母親も外面は仲のいい夫婦なのだ。


 私はここにも居場所はない。ただただ膝を抱えて縮こまってるだけ。私が何しようと下の2人には関係ない。

 だから私は⋯⋯。私は⋯⋯。




 翌日。


「ユリアー!おはよう」

「サラ!おはよう」

「ねぇ、ユリア突然なんだけど聞いてくれる?」

「いいよ、どうしたの?」

「私、交換交流使ってシルビア魔法学園に転校しようと思うの。どうかな?」

「⋯⋯え?でもそれっていい成績取らないといけないんじゃ⋯⋯」

「大丈夫だよ、今までの魔法テストは本気出してないからさ!」

「そっか⋯⋯。まぁこのまま進級しても辛いだけだもんね。うん、私は応援するよ!てか、それだったら私もシルビア算術学園に転校目指そうかなぁ」

「え、ユリアも転校目指すの!?え、でもアンデルト算術学園の方が将来色々便利だろうし、両親は?⋯⋯でも、ユリアも、いてくれたら嬉しいな⋯⋯」

「両親は大丈夫だよ!結局は私のしたいようにしてくれるし、きっと理解してくれるし!それに、サラを放っておけないからね」

「あ、ありがとう⋯⋯!」


 だめだ、涙出てきた。

 とりあえずテストは2週間後。頑張ろう。

最後までお読み下さりありがとうございました。

誤字、脱字等ありましたら報告して下されば幸いです。

また、アドバイス等いつでも受け付けております。


次の更新は1週間後を予定しております。

作者は書くのが遅いため、遅れてしまうこともあるかもしれませんが、気長にお待ちいただければ幸いです。


これからよろしくお願いします!

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