閑話◇5話オマケ◇
ノエが不躾な質問をしたのは、アザナさんを宿屋まで送る道中だった。
「所で、クロードとは同い年くらいに見えますが、アザナさんはお幾つなんですか?」
「おい、リリー。女性に年齢聞くのは……!」
そうだぞ、ノエ。言ってやれ、カロン。
「私は同性なので聞いても大丈夫では」
「そういう訳じゃ、」
「あはは、別に大丈夫よ。クロードさんはお幾つなんですか」
アザナさんは笑顔で問いかけてきた。
「今年で、二十四です」
しかし、凍った。ピキッと、音が鳴ったと錯覚したくらい綺麗に、凍った。
「あ、あの……?」
「う、うわーッ!なんで、なんでそんな大人びてるのに歳下ッ!?」
あ、歳上なのか。
「アザナさんは……」
「今年で二十九よッ!でも、まだ三十じゃないもん、二十代だもんッ」
うん……。流石に、大の大人が『だもん』は、ちょっとな……。
「そうですか。でも、クロードより歳上とは思えないくらいに、お綺麗ですね」
ノエのフォローに、アザナさんの表情が和らいだ、気がした。
「それとも、クロードが所帯染みてるだけでしょうか」
一言余計だわ。
「うう……。大丈夫、まだ今年がある。今年こそは彼氏作って、スピード結婚すればまだ間に合うッ……」
なんか、アザナさんが自分の世界に入ってしまった。もう駄目だな、何を言っても聞こえないやつだ。
「おいおい、アザナさん!」
と思ってたら、そんな自分の世界に浸ってるアザナさんを引き戻す声がした。カロンだ。
「女性は、三十からが、本番だぜ?」
意味がわからん。だが、それを言われたアザナさんは顔を輝かせる。多分、取り敢えず慰めの言葉が欲しかったんだろう。
「あ、ありがとうぅッ!私頑張って、結婚相手見つけるッ!そして、脱・未婚者ッ」
意気込んでる彼女には申し訳ないが、ひとつ言わせてくれ。
こんな人通りの多い道で、大声で自分が未婚者である事を自白してる時点で、結婚は当分先だと思う。
「と言うか、今頑張るのは【珍種売買業者】探しでは?」
はい、ノエさんの仰る通り。




