閑話◇2話オマケ◇
「リルさん、とても身長が高かったですね」
俺の部屋で何故か寛いでいたノエが、急に話を振ってくる。ちなみにノエは俺のベッドに寝そべり、カロンは持ってきた本を読んでは頭を捻ってた。本のタイトルは、『筋トレの歴史』。……いや、どんな本だよ。
「ん、あァ。あいつは【世界蛇】だからな」
俺が答えると、カロンがバッとこちらを見てきた。
「な、なんだよ……」
「フェンリル。オレの記憶が間違えなければ、その【世界蛇】って、大蛇のあの……?」
「そう。それ」
カロンの口が閉じなくなった。
「大蛇、ですか」
「そう、でっかい毒蛇。あいつはそれの血を引いてんの。蛇に変化出来るぜ。あんまり好きじゃ無いらしいから、やってはくれねぇだろうけどな」
「へぇ。あ、だから身長があんなに高いんですね」
ノエはなるほど、と言った後、興味が無くなったのかベッドでゴロゴロし始めた。何なんだよ、聞いといて……。
すると、ようやっと口を閉じて本に視線を落としたカロンがボソリと、
「リリーが転がったベッドでフェンリルが寝る……」
と言った。振り向くと、まるで、何も言ってませんという顔で本を読んでいる。ノエは聞こえてないのか、未だにゴロゴロし続けている。
イヴさんに殺されるッ……!