閑話◇1話オマケ◇
「あの、ヘルさんはクロードのように【紅狼】などの種族に属しているのですか?」
ノエの素朴な疑問に、ヘルは楽しそうに答える。
「ん、あるわよぉ。でも、種族って言うよりはぁ、存在?かしらん。あたしは【死の女王】って呼ばれる存在よん。
クロードは、【紅狼】っていう種族の内の一人だけどぉ、あたしの【死の女王】は、あたし以外にはいないの。あたしが死んだら、また新しい【死の女王】が誕生するけど、あたしが死ぬまでは、あたし以外がそれになることは有り得ないわ」
分かりにくい説明だ。だが、こう言う以外に説明のしようがない。
「つまり、貴女の渾名のようなものがそれだと認識していいんですか?」
「渾名じゃなくて、二つ名とかの方が正しいのかしらん?でも、まあ渾名って考えてもらっても大丈夫よん」
二つ名とか痛いなぁ……。
「クロード、そんな事言うとお姉ちゃん怒っちゃうぞ」
「すみません」
即座に謝る。言ってはないけど。
こいつは、怒らせたくない。絶対に嫌だ。
「『お姉ちゃん』?ヘルさんの方が歳上なのか?」
「カロン、教えてやろう。こいつは見た目こそ若いが、その実、今年で二百四十……」
「クロードォォォ……、女性の年齢は教えるものじゃ、無いわよねぇ……?」
「ヘルお姉様は、身も心もお若く、お美しいです」
蛇だ……。あいつの後ろに蛇が見える気がする。さながら俺は蛙ってところか。
蛇は“あいつ”の専売特許なんだけどなぁ……。
「え、に、二百……?」
「カロンくん」
「はいッ」
「女性の年齢は、知らない方がいいわよ……?」
「はいッ!」
現在の【死の女王】。年齢を聞くと、かなりキレます。




