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幼女の腹の中2

 彼は言った。君は奇跡だと。

 彼女からすれば、彼のほうが特別な存在に思えた。彼女がこうして生きていられるのは、すべて彼のお陰なのだから。

 けれど彼曰く、『生かされている』のではなく『生きている』彼女に感動するらしい。彼女にその些細な区別はつけられないが、お互いにお互いを特別視しているのだということは理解出来た。

 彼女にとって神のような彼。彼にとっての奇跡である彼女。

 彼と素敵な関係を持つことができた。彼女は大いに喜んだ。悦に入った。踊り出したい気分だったが、けれどもあいにくダンスの経験はなかったので、とりあえず彼に抱き着いた。

 彼は少しだけ驚いたようだったが、すぐにだらしない笑顔を浮かべた。実に、実に幸せそうに。

 実に。

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