世界観紹介(南北日本)
世界観の一つとして、分断国家である2つの日本、南北の日本を紹介します。
北日本:日本人民共和国
北方軍事境界線(41度線)を挟み本州以南の日本帝国(南日本)の統治区域と対峙している分断国家で、日本列島北部にある社会主義国家。北海道戦争(祖国解放戦争)においては南日本軍と米軍を中心とする国連軍と交戦し、現在は休戦協定に従い休戦状態にある。首都は札幌。政治は日本共産党による一党独裁体制。秘密警察を所有する政治総省による厳しい監視体制が敷かれ、事実上人権や自由の保障は欠落している。
第二次世界大戦末期、連合国との講和を成した大日本帝国に対し、突如として侵攻したソ連軍によって北海道の道北~道東部の北半分を占領された。その後、ソビエト連邦による軍政支配を受け、ソビエト連邦に誘致された日本共産党による建国宣言の下で、大日本帝国から独立した政権が樹立された。
樹立後、留萌~釧路間を軍事境界線として南日本と対立するが、1950年6月に北海道戦争が開戦。南日本軍側には国連軍、北日本軍側にはソビエト義勇軍が参戦し、1953年に休戦を迎えた。緒戦は北日本軍側の優勢に進み、南日本軍側に優勢が逆転されたりしたが、最終的に侵攻を函館まで到達させることに成功した。しかし国連軍の原爆使用により侵攻を止めざるを得なくなり、本州に上陸する前に国連軍側の提案で休戦協定が結ばれた。その際、北海道と本州を隔てる津軽海峡に新たな軍事境界線(41度線)が指定された。
主戦場が北海道であったこと、特に函館に投下された原子爆弾の被害等で北日本国内は荒廃の限りを尽くしたが、エネルギー不足や著しい労働力不足に悩まされながらも、道東部油田や夕張炭田等への傾斜生産、労働力の補償や整備開発の貢献として実施された諸外国からの移民受け入れなどを行い、更に老若男女人民による一斉労働を実行させた全人民労働運動の甲斐あって、工業生産能力が戦前の水準にまで回復し復興を遂げた。
日本列島全域と周囲の島々を自国の領地と主張しているが、実際の実効支配領地は北海道、樺太南部、千島列島であり、本州以南は南日本に不法に占拠されていると主張している。津軽海峡にある北方軍事境界線(41度線)の海域では度々北日本側の船舶や航空機が南日本側の領海・領空に侵犯するケースもしばしば。
人口は約500万人(アイヌ民族や諸外国からの移民などの少数民族を含む)。
本州以南と同様に四季がはっきりしている。しかし圧倒的に冬の期間が長く、道南の一部沿岸地域を除くと、ほぼ全域が亜寒帯湿潤気候である。夏と冬の温度差が大きく冬の積雪は根雪となる。一部地域は特別豪雪地帯になっている。道北、道東は寒さが非常に厳しく、それらの地域には強制収容所などの施設が集中している。
産業に関しては、冷戦時代に友好国のソビエト連邦より輸入した資源を加工し全社会主義国へ輸出する重工業が発達した。室蘭や苫小牧には一大工業地区が設けられ、室蘭では金属工業、苫小牧では軽工業が盛ん、道東では天然ガスも開発される。世界第9位の経済力を誇った。しかしソ連崩壊後の2014年現在、供給相手のロシア等とのいざこざでエネルギー不足が深刻化し、エネルギー問題に悩まされている。ただ農業だけが未だに自給率100%を維持し、南日本にも輸出され、国の要として衰える様子を見せない。
軍事力は、人民赤軍、人民海軍、人民空軍、人民国防軍の四軍を保有している。
北日本の国旗は、日章旗の赤い日の中心に労働者と農民のシンボルである鎌と槌を交差させたものを描き、その上に五大陸の労働者の団結を意味する五芒星を配したデザインとなっている。
国章は、左右に人民の主食であり力の源である稲穂を添え、中央には大自然を示す緑色の北海道を冠し、その上から人民を意味する鎌と槌を交差させたデザインとしている。
南日本:日本帝国
日本列島の本州以南を実効支配区域としている分断国家。北日本の領地を自国領と憲法上で主張している。資本主義国家。首都は東京だが、帝国の都として“帝都”と呼称されることも多い。北方軍事境界線(41度線)を挟んで北日本(日本人民共和国)と対峙し、日本海を挟んで朝鮮半島全域を領地とする朝鮮民主主義人民共和国と、東シナ海を挟んで中華人民共和国、台湾と隣接する。
分断後初めての大規模な軍事衝突となった北海道戦争は函館に原爆を投下することによって休戦まで運ぶことができたが、主に『同民族に対し原子爆弾による無慈悲な殺戮を行った』として北日本国内の反南感情を膨張させる起因を作ってしまった。当時、米軍が日本帝国に対し原爆使用の決断を促したが、敵対しているとは言え同じ民族に史上空前の大量破壊兵器を使用することがかなり躊躇われた。しかし本州への上陸を阻止する方法が他になかったこと、大戦で使いそびれた原爆の使用を米国が望んでいたこと等、様々な事情や思惑によって原爆の使用が日米間の協議の末決定された。
現在でも当時の原爆使用に関して、北日本から謝罪と賠償を求められる原爆賠償問題がある。
史実と異なり、連合国と対等な立場で講和に成功したため、国体や体制はほとんど大日本帝国の頃から受け継いでいる。大戦後、連合国による政治的介入を含む憲法の改正や民主主義化が進められた。連合国との講和という目的を達成することが叶ったが、結果的に想定以上の早さで米国などの連合国と講和してしまった日本に対し、領土的野心を抱いていたソ連の思惑が働いてしまい、ソ連軍の侵攻を誘い、皮肉にも国家の分断という結果をも生んでしまった。
北海道戦争での戦時特需、それを発端とした高度経済成長によって冷戦時代から2010年代初頭までは世界第二位の経済力を誇った。現在は中国の躍進、貧富の拡大による社会問題など様々な問題を抱えるようになり、現在の南日本経済は低迷気味。農業に関しては『北海道は日本の食糧基地』と言われるほど、最大の仮想敵国でありながら、農業分野の多くは輸入相手国の北日本に依存している。特に麦や芋等の畑作も列島全域平均と比べて北日本の方が比率が高く、輸入される北日本産のテンサイやジャガイモ、小麦等の品目が最も多い。北日本の生乳生産量も南北日本の約40%を占めている。
米国とは安全保障上の同盟関係にあり、第二次大戦時の敵国でありながら、北海道戦争での共闘を経て現在では最も代表される南日本の友好国。しかし昨今の在日米軍の基地問題などで、軍の間では米軍との距離を置こうという風潮が見られるようになっている。2014年現在、経済発展に邁進する中華人民共和国とは最大の貿易相手国となり、エネルギー分野におけるロシアとの関係構築という現在の葛島政権の政策方針により、旧ソ連時代に日本を分断させたロシア連邦とは天然ガス等の共同開発や供給の合意を経て良好な関係にある。
軍事力は、帝国陸軍、帝国海軍、帝国空軍の三軍であるが、北海道戦争休戦までは陸海軍の二軍のみだった。休戦後の1954年、北日本を含む周辺諸国に対する更なる安全保障の強化に伴い空軍が新たに創設され、陸軍省と海軍省が統合され、防衛省が誕生した。
政治は憲法上で国家元首と定める帝国君主(現実世界の天皇)を中心として、行政、立法、司法、軍事を統制する体制となっている。政府の総理大臣は国政担当首長として帝国君主に代わり主な国政を行う。
国旗は白い背景に赤い日の丸を模したデザインで、日章旗と呼ばれる。国章は菊の紋章を表している。