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第四章「独房」 15
4人はその後少量の酒を飲んでから(未成年者であるマックスも)眠りにつくことにした。
見張り番は交代制だ。今日は2時間ごとにミシェル、マックス、ロバートの順で交代することになった。
見張り番の仕事は主にノーアイズと天候の確認だ。資材のかき集めも本来の仕事だが、今日はここに家の家主がいるので遠慮することにした。
ミシェルは3人が眠りについた後、一人眠そうに瞼を擦ってから、窓の外の景色を眺め始めた。ビートルズのナンバーを口ずさみながら、薄暗い屋内から空を見つめた。雲一つない青空の下、時を止めたボストンの町並みが切なく佇んでいた。
一秒一秒ゆっくりと腕時計が時を刻む。静寂の中の2時間というものは長いものだ。一時間はもう経っただろう、と見たけれども、まだ長針が90度回っただけだった。