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序章9
「伏せろ!」
そしてそれはノーアイズの群れの後ろに着弾した瞬間、轟音を立てて爆発した。
ノーアイズ達の肉体が木っ端微塵に吹き飛ばされる。身をかがめたジョンの体にバラバラにされた死骸の手足が当たる。
直後爆風はボブの鼻先数十センチで消えてなくなった。この爆風範囲ギリギリを、アッシュは計算していた。前を見る。先ほどまで大挙いたノーアイズが消えている。壁にへばりついたおびただしい量の黒い血液が糸を引いて異臭を放つ。
「ジャスト。」アッシュは嬉しそうにガッツポーズして見せた。響いていた爆音が今ようやく収まった。
その収まりを見てジョンは「…いつ新手が来てもおかしくない…さっさとここから出るぞ…。」コルトパイソンをホルダーに入れ、長旅ですっかりボロになってしまったシューズで肉塊を踏み越えながら、血の海の上を歩きだした。