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第四章「独房」 5
「誰やアンタら?」ロバートに銃を突きつけた男は言った。男の風貌は黒いアフロに攻撃的なサングラス、肌は褐色で言葉には南部訛りがある。黒人だ。銃はワルサーPPKS…。
「手前ェこそ誰だ?」ロバートは聞いた。そしてロバートもウージーを男に突きつけた。互いの腕が交差する。
「ちょっと、2人とも止めなよ!」マックスが2人の間に割り込もうとするが、ロバートの剣幕に退いた。
しかし、
「止めて下さい。他人の家で。」後から入ってきたミシェルがロバートの腕を躊躇い無く払い除けた。
「……わかったよ。」すると、ロバートは渋々ながらもウージーを背負ったバッグに挿し戻した。
それを見て男もワルサーPPKSを腰のホルダーにしまった。
「…で、このカビ臭い家に何の用や?ウチにゃ犬の食べ物とポルノビデオしかないで?」男は腕を組んだ。
「私らを一泊、泊めてくれませんか?何もなくてもノーアイズがいない事だけで十分過ぎます。」
「そうやな…。」すると男はしたり顔をした。そして、言った。「ほなウチの防衛を手伝ってくれへんやろか?」