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第三章「廃屋」 37
「どういうことだ…?」
「仲間が一人死んでその重石が今俺の胸にのしかかっている…この重石の名は『死の責任』だ…ひとつのしかかっているだけで酷く死にたい気分になる…なら…幾十幾百この重石がのしかかったジョンは普通とっくに自殺しているんじゃあないか…!!」
ミシェルの頬からこぼれた涙が一滴、コンクリートに染みた。
「糞…!!何で俺はこんな事をしちまったんだ…何故離反しちまったんだ…あいつは最高のリーダーなのに…!!気が狂っちまい…そう…だ…!!」その言葉の切れ目切れ目には呻き声が混じっていた。ミシェルは再び崩れ落ちた。悲しみに身を震わせて屈み込んだ。
ウージーの銃口が再びミシェルの体を捉えることはなかった。
そして冷たいコンクリートの上でミシェルは決意した。
もう誰も死なせない、と。