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第三章「廃屋」 34
「何だこれは…」ミシェルはロバートと折り重なった体勢のまま呟いた。「何だこの心臓にのしかかってくる、鉛みたいなモノは…!」
「おい退けよ…!」ロバートはもがくがミシェルの体は離れない。
「アッシュの残像が頭ん中から離れねぇんだよ!!」突如、ミシェルは吠えた。目尻に涙が現れた。「畜生…畜生!!」
すると突如、「仲間の死に様なんぞ幾度となく見てきただろうが!」ロバートが握った拳でミシェルの頬を殴りつけた。ミシェルは一瞬たじろいだが、それでも尚ロバートから離れない。「それも飽きる程にな!!今更何だこの野郎!!人殺し!!」
さらにロバートは殴打を続けた。殴る度に鈍い音が響き、鮮血がロバートの顔に降りかかった。
8発目でミシェルの体が吹っ飛んだ。その体はゴロゴロと駐車場の床を転がり、太いコンクリートの支柱にぶつかって止まった。
「目ェ覚ましたか、人殺し、人殺し、人殺しィ!!!」