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序章7
…ノーアイズだ…近いぞ…。
この不快音は他の7人にも聞こえているらしく、皆最寄りにあった銃器を手に取り、身構えている。一気に空気が張りつめていく…。
そんな中、音は徐々に近づいて来る。ジョンも飲みかけのチャイを足元に置き、愛用のコルトパイソンを腰から抜いた。
「こんな日くらい休日って事にしてくれよ…頭が痛ぇ…」南部訛りの愚痴が聞こえてきた。黒人の大男、ボブだ。
「そんなに頭痛かったら外行って空気でも吸ってこいよ。」ジョンは割れた自動ドアを指さした。不快音の方向だ。
「…俺が偵察…ってか…」連れを求めたが、協力者はいない。
「二日酔いしたお前が悪い。昨日俺の分を飲んだツケだ。」ジョンが一蹴すると、ボブはスキンヘッドの頭を掻いてから、レミントンのショットガンを握り、自動ドア…この店の出口へ向かった。
しかし、ボブは自動ドアの半歩前で立ち止まった。
そして、笑った。