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第三章「廃屋」 25
途端、死体になったブルの腹から腐りきったキムチが無理矢理引きずり出された。ボロのカーテンの様になってしまったその体からはその後も肋骨や心臓やらが流れ出てくる。
そいつを皮切りに残ったブルも次々とロバートのウージー9ミリ弾の餌食になっていく。首を撃たれたものは傷口から血の大噴水を上げてから数秒後に息絶え、肺を貫かれたものは喘息の常備薬のような不可思議な呼吸を数回繰り返した後死んだ。
ブルの鳴き声が悲鳴に変わるのに3秒もかからなかった。そして、悲鳴が沈黙に変わるのも3秒とかからなかった。ものの数秒で、群がったブルが全て屍になった。かのジョン・ランボーもびっくりだ。
「とっとと行くぜ!!」ロバートはウージーのリロードをしながらエスカレータを駆け降りた。ミシェル達3人も後に続く。段の途中で横の手すりから飛び降りて、前方の崩落部分を避けた。
「ぐぅぅっ!?」だが、1階の床はエスカレータのガラスの破片だらけになっていた。ロバートは着地した瞬間、鋭い痛みを感じた。見ると、床についてしまった右手の平に無数のガラス片が突き刺さっていた。