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序章6
「皆さんジンジャー・チャイが出来上がりましたよ、どうぞ召し上がって下さい。」銃のショーケースの上に湯気の立ったコップが八つ並べられた。このコップの数は昨日の方が多かった。一昨日の方はもっと多かった…。まだ窓には辛うじて陽が差し込んでいる。
8人は一人一つずつそのコップを取っていく。
コップは暖かかった。チャイを飲みこむとその暖かさが体の内部に染みていった。
その直後、
げぷ。嫌な音が店内に響いた。ムードブレイカー少年、マックスのげっぷだ。
「あのすみません。貴方、もっと美しく振る舞えないのですか?」ミシェルが軽蔑の目でマックスを見る。
「あー、すみませんでした。げふっ。」
ミシェルはため息をつき、「呆れた…。」そう言い残して身支度に入った
その時。
ぬちゃ。くちゃ。ぬちゃ。
突如、粘質の音がジョンの耳に入った。