第三章「廃屋」 15
マックスが一階の床に前転し、受け身を取って着地した。途端、床に溜まった埃が粉塵の様に舞い散った。ロバートが援護射撃の体勢に入った。
着地したマックスをノーアイズ達が、挟むようにして襲いかかった。しかし、マックスは前転して立ち上がると、すかさずその左右のノーアイズに向けて、2挺のベレッタを乱射し始めた。小刻みに響く発砲音の度、的になったノーアイズが不細工なダンスを見せた。足、胴、頭、と次々と筋肉やら内蔵やら脳味噌やらの体の内容物を床に撒き散らしながら事切れていく。
「やるじゃあないか、えぇ!?」するとロバートもエスカレータの上から参戦してきた。ウージーの銃身からの轟音がノーアイズを処構わず斬り裂いた。怪物の四肢や頭部が胴から切り離されていく。アッシュのライトが死屍累々の世界が築き上げられていく様を照らし出していった。ノーアイズにとっては地獄絵図の様だった。狙いを正確につけない2人の弾丸は転がった死体にさえも鞭を打ち、何もかもを抉り取られ、蜂の巣にされたノーアイズなんかは、まるで爆殺でもされたかの様に床に黒い体液のシミだけを残して、一切合切を吹き飛ばされ跡形も無く消されていた。