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第三章「廃屋」 7
ノーアイズの円陣が狭まっていく。足が竦んで動けない。
全ては奴のせいだ!リーダー!いや、ジョン・ターウィルガー!!
突如ロバートの脳裏に、特急列車のような言葉の走馬燈がぶち込まれ始めた。
貴様の命令欠如なおかげで俺達は死ぬ!!俺らをポーンみたく扱いやがって!!捨て駒か!!そういや俺ばかり前衛に駆り出されたな!!カミカゼか、俺は?!面白くねぇ!!野郎ぶっ殺す!!糞ったれの大馬鹿野郎!!死んじまえ!!喰われ死ね!!
あの世で呪ってやる!!畜生!!
すると、ロバートのすぐ後ろで声がした。「はは…は…さっき諦めんなっていったのはどこの誰っスか…?」微かに笑った、ロバートが背負ったアッシュの声だった。
「喋るな馬鹿!!」
「ははん、嫌っスよ!!」アッシュが叫んだその時、遠くからジョンの叫び声が聞こえた。撤退命令だ。
「さぁ、ヘルズゲートの門限はあと少しっスよ!!突っ切りましょう!!」
すると、ロバートは突然大笑いをした。豪快な笑い声だった。「俺はロマナンテか!!面白ぇぜ!!夢想家野郎ゥ!!」