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第三章「廃屋」 3
そのままロバート達は、ミシェルと一緒に去っていった。お前の元じゃ命がいくつあっても足らねぇ、という捨て言葉を残して。
結局ジョンの元に残ったのは、ジャニスとボブだけだった。辺りが急に静まり返ったような気がした。
午前2時半。
ジョンは俯いて苦悩に顔を歪ませた。仲間を失ったということと仲間が死んだということは彼の中では同義のものだった。
すると「あんたは何も悪いことしてないよ…!」ジャニスは涙声でジョンを強く抱きしめた。
ジャニスの腹の裂傷がジョンのコートにこすれるが、彼女はそれでも尚、抱き締め続けた。
幾ばくか時が経った。
やはり、4人は戻ってこない。だが、それはもう承知の事だ。
ジョンは立ち上がった。
「とりあえずここを出よう…」後悔と悲しみは消えない。
進む3人の足取りはまるで葬儀だ。