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第三章「廃屋」 2
「手前ェいつまでイエス様気取りなんだよ…!!」ロバートは怒り狂う。「前のリカルドの時もそうだった!!撤退が遅れて餌食になっちまったじゃねぇか!!」リカルド。2日前、ノーアイズになってしまった男だ。いいムードメーカーだった。
「糞が!!」ロバートはジョンを壁に叩き付けた。「仲間を見捨てないとかほざいてたが、お前が一人を救っている間は俺達を見捨ててんだよ!!」
ジョンは俯いて口を閉ざしていた。
「この偽善者が!!!」ロバートは止めにそう吐き捨てて、もう嫌だ、と呟いた。
「もうお前についていくのは懲りごりだ。俺はこれからミシェルについていく。」
決裂。
ロバートが遠くに座ったミシェルの方に近づくと、マックス、アッシュが後を行った。
「ミシェルならお前とは違っていつも冷静にやってくれる。」
「ジョン…すみませんね」ミシェルの最後の言葉が静かに響き、徐々に余韻を残していった。