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第二章「腐食」 6
老人達がとっさに後ろへ振り向くと、そこには全身蒼白の少年が手にタウルスを手に、立っていた。
レイだ。
次の瞬間、レイは驚愕している老人達にタウルスを容赦なく撃ち始めた。
バン。バン。バン。バン。
乾いた銃声が1つ響く度に、老人が1人ずつ血飛沫を上げながら倒れていく。
「う…うわぁぁぁあ!」残った数人が、レイに弾幕を張りながら逃げ始めた。
「鼠みたい。」直後レイはそう吐いてトラックの陰に隠れた。その弾は当たらず、隠れた車体で跳弾を繰り返す。
老人達が逃げた先は彼らが出てきたブティックだった。息を切らして中に入っていく。
駄目だ、あいつら!
儂らを殺す気じゃ!
戸惑いに目を見開いて老人達は叫んだ。
すると、銃撃によって割れた窓から、店内に緑の物体が入ってきた。
それはゴロゴロと木製の床を転がり、1人の老人の足元で止まった。
戦慄が走る。
その緑の物体の正体はグレネードだった。
「JESUS!!」急いで投げ返す。
しかし、老人の手から離れた直後、それは起爆した。