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第二章「腐食」 4
「それがどうした!?」
「私達は今、とても空腹でな。」車の陰から除くと、老人が一人、店の割れたガラス窓から頭を出していた。私達、と言っていた…今は見えないが、他にも複数人いるに違いない…。「餓死した仲間の死体を喰っている様なのだ。口の中が苦いわい。」
「俺達に何の関係がある!?」コルトパイソンを抜いた。
すると、老人は躊躇う素振りもなく言い放った。
「食料をくれ。」
誰が渡せるか。ジョンは叫んだ。「断る!」
その瞬間、老人の形相が一変した。「ならば、蜂の巣になってしまえ。」
老人はそう吠えると、足元から何かを持ってきた。
BAR…!ふざけるな!
店内からも5、6人出てきた。再び、銃弾の嵐が襲いかかってきた。背にしている車から幾度もの激しい衝撃が伝わってきた。
俺達を殺して食料を奪い取る気だ…。
ジョンはコルトパイソンのシリンダーに1発、弾を詰めた。
そして、
「皆、あの乞食共に腹いっぱい喰わせろ。銃弾をな。」そう言って頬肉を歪ませた。