第二章「腐食」 3
「あぁ、すまんすまん。」ボブが苦笑いで頭を掻く。
しかし、「聞こえてるってんだ、出て来いよ。」ジョンは尚も言い続ける。
「俺、そんな悪いことしたか?」ボブは立ち上がった。よっぽど悪く聞こえたんだな…
その瞬間、ボブの右腕を一発の弾丸がかすめた。
「つあっっ!!」そこから血が飛び散った。だが、幸いなことに傷は浅かった。
「!」一同は皆それに反応し、ベンチから飛び退いた。
それとほぼ同時にベンチの後方から銃弾の嵐が襲いかかってきた。その嵐はすさまじく、すぐにベンチが蜂の巣になった。アスファルト、コンクリートがあちこちで火花を上げる。そんな中、一発の弾丸が、前方の車両のエンジンを貫通した。途端、ロケットランチャーを打ち込んだかのような衝撃と共に大きな爆発が起こった。
轟音の中、急いで車の陰に隠れる。すると、銃撃が止んだ。明らかに誰かがこちらを殺しに来た…。
「お前ら何者だ!?姿を見せろ!!」ジョンが叫ぶ。
やがて返答が返ってきた。その声はベンチの真後ろの洋服店からだった。
「お宅ら…レジスタンスだろ…?」乾ききった、弱々しい声だった。