第一章「月光」 18
「あぁ…奴のせいで足止めだよ…。」バーガーショップの外壁にもたれたジョンはケース最後のセブンスターに火を付け、空になってしまった煙草ケースを投げ捨てた。
「あんな下らないジョークを言った天罰ですかねぇ。」
ミシェルがため息をつくと、「やめろ、感染る。」ジョンはボソリと呟いた。
ボブが行ってから10分が経った。もう出てきてもいい時間だ…。
すると、「大丈夫かなぁ、ボブさん。」レイが心配そうな顔をしてジョンへ寄った。
ジョンは言われてしばらく考え込むと「…なぁ…賭けでもしないか?」人差し指を立てた。「俺は 帰ってくる、に酒2杯。」
「俺も帰ってくる、に酒2杯。」ロバートは薄笑いを浮かべた。「泣きべそかきながら…な。倍率増えるか?」
「帰ってこないに、3杯です。」ミシェルにしては珍しく強い口調だった。
しかし…。
「マックスは?」ジョンが呼んだその時。
マックスがこの場から消えているのに気がついた。
「おい、マックス返事しろ!!」いくら呼んでも出てこない。姿を現さない。
……。
ジョンは確信した。
「みんな、今の賭けはナシだ。マックスが行っちまった。」