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第一章「月光」 12
小さくて動きが素早い的にはショットガン。
ブルの群れがすぐそこまで迫って来た。2人の眼球を狙って涎で糸を引いた大口を開ける。
と同時に、2人はショットガンのトリガーを引いた。
大きな銃声が響いた瞬間、今にも飛びかかろうとしていた先頭のブルが爆散し、残った散弾が周辺のブルを一気に吹き飛ばした。
その間に、2人はポンピングをし、もう一撃。今度は吹き飛ばしたブルへの止めの一撃となった。
再度ポンピング。トリガーを引く。すると、突如2人の目の前で銃声をかき消す程の強烈な爆発が起こった。
「!? アッシュの野郎!」2人はとっさに屈むと、ハリケーンが通り過ぎる時のような力の爆風に襲われた。
「きゃあああああ!」爆風は凄まじい力だった。地面に伏せて、飛ばされないようふんばるのがやっとだ。
しかし、間もなくして止んだ。2人は地面に伏したままほっと息をつく。それと同時にアッシュが慌てて駆け寄ってきた。「大丈夫ですか?!」
するとボブは「今日の飯はアッシュの丸焼きに決定だな。」本気か冗談か分からない口調で首を鳴らした。