序章2
2ヶ月前、ニューヨークの街が一夜で壊滅した。ノーアイズという怪物によってだ。
その後、ノーアイズはニューヨークから、ボストン、フィラデルフィア、ワシントンと次々に壊滅していき、やがてはアメリカ全土を支配してしまった。
そして、その破滅の波紋はカナダ、メキシコにまで広がる。人々はノーアイズの驚異の生命力と繁殖力に為す術もなく倒れていった。
パンデミックから8日目。南アメリカ、侵略。
ここでようやくパンデミックが止まった。何故か。大海という城壁がノーアイズの侵攻を妨げたからだ。
そう。ノーアイズは海を渡ることは出来ず、水の中を泳ぐことも出来なかった。当時は。
12日目。城壁は越えられた。
ロシア、イギリス侵攻。
ノーアイズはたった4日で進化し、海を渡れるようになってしまったのだ。
南北アメリカだけと安堵していた人間が束の間、奈落へと突き落とされた。
最初は抵抗する者が現れたが、除々に勢力が無くなっていった。
その闘いで瀕死の重傷を負ったある男が死に際にこう言った。
「ゾンビの方がまだ良かった・・・。」
31日目。世界がノーアイズで埋め尽くされ、地球の暗黒時代の幕が開いた・・・。