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第七章「煉獄」 9
006号の信号によってノーアイズが強化された。ならばその信号を打ち消せば、力は通常に戻る。
通常に戻った力のこのノーアイズの頭を撃ち抜けば、終わりだ。
パソコンに辿り着いた。キーボードを打つ。
だが、すぐに引き離された。壁に打ち付けられる。吐血した。
「かはぁ……!!」悶絶する。視界が混濁する。
一瞬で距離を詰めたノーアイズがよろめくミシェルの顔面に拳をねじ込む……。
それを間一髪でかいくぐり、再び向かう。
その刹那、左肩が抉られた。同時に血で真紅に染まった左腕が意味無き振り子運動を始めた。
再度、パソコンに辿り着いた。マウスを苛り、左クリック。
左腕がついにもぎ取られた。血の滝が傷口から流れ出した。
その時、部屋に銃声が響いた。硝煙の匂いと弾核の落ちた響きは後からやって来た。