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第0章「衰退」 18
「畜生!!畜生!!」
「糞ぉぉ!!」
「殺してくれぇぇえ!!」
味方の唖鼻叫喚を片目にも入れず、サムは独り、殺戮を悦しんでいた。
「何をやってる、愚図共」
とただ繰り返すばかりであった。
ニューヨークのノーアイズの量は尋常ではなかった。隙間という隙間から、全包囲から押し寄せてくるのだ。
全く余裕のサムに対し、限界の部員達。あっと言う間に一人欠け、二人欠け、瞬く間に数を減らしていく。
何体殺しただろうか。何人殺されただろうか。何体出てきただろうか。何発撃っただろうか。最早皆目検討つかない。無限に広がる地獄に精神が狂わされていく。
ノーアイズの壁に囲まれて、皆が応戦し始めた頃、その中の一人が突然発狂した。
「ははひははふaふひひははhははふひははhaはひひひはah!!」聞くに堪え難い奇声だった。