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第0章「衰退」 16
「俺達があんな狂った神父を選ばざるをえなくなった程にこの世の中が狂いやがったんだよ」
「そうかい。」バースは自分の腕時計を除いた。午前2時半。「だけど俺はそうだとは思わないね」
「どうしてだ?」
「元々狂ってたさ、世の中。それがちょっと違う方向に行っただけさ」
「……そうだな。」スミスはそうとだけ答えると、BARのマガジンを換え始めた。慣れた手付きだった。
バースはそれを見ると、一つ生欠伸をして言った。「まぁ、今は我慢さ。何だかんだ言ったって、あの狂人についていけば俺達は助かる……そうだろ?」
「…まるで狂ったスーパーマンだな」
しかし、バースの言い分のようにはならなかった。
サム神父は今からたった24時間後、死ぬのだから。
高校の期末テストがあるんで四日くらいお休みします。
7月1日 記