173/186
第0章「衰退」 15
割れ響く大絶叫を上げてのたうつノーアイズ。噴き出した血のまどろみで悶え狂う。次は左足を引き千切る。絶叫が一層大きくなった。不規則に痙攣する、右腕と右脚。腐臭を放つ口から血の泡が次々と湧き出ていく。
そしてついに四肢全てが千切り取られた。血塗れの達磨になってしまった瀕死のノーアイズはぐったりと横たえ、意味もなく、微かに唇を震わせる。
見守っていた団員達は凍り付いた。彼らはこういう私刑を今までに何度も何度も見てきたが、今もこれからも決して慣れることはないと確信していた。
闇空を仰ぎ、胴震いしながら笑い狂うサム神父。その笑い声は天まで届いてそのまま返ってきそうな程だった。
「……ここまでイカれてる奴は地球ではもう居ないだろうよ。」呆然と立ち尽くすバース。その瞳は死んでいた。「本当に俺達はコイツについていって大丈夫なのか……?」
すると、「何を今更」とスミスが返した。