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第0章「衰退」 13
そしてサムはノーアイズを粗方薙ぎ倒すと、何故か銃身の熱くなったBARを2挺ともかなぐり捨てた。
銃がオーバーヒートしてしまったのだろうか?また何か新しい武器が出てくるのか?
その意味不明な行動を初めて見た者は皆、そうやって首を傾げるだろう。だが、それを幾度となく見ている団員達は、それから後に起こる残酷な私刑と狂騒を見まいとただ目を瞑るのみであった。
奴は不都合で銃を捨てたんじゃない、
悦しむが為に捨てたのだ、と。
怪物の群に只独り往く者の笑みは異形のそれであった。
丸太の様な太い腕を振りかざし、薙ぐ。
すると、その軌道の途中のノーアイズが叫んだ。頭部が半分抉れていた。脳汁が勢い良く飛び散り、脳髄が頭蓋から爛れてきそうなのをサムは鷲掴みにし、一気に引き抜いた。そのノーアイズはびくんと一回大きく痙攣すると息絶えた。即死だった。