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第0章「衰退」 12
サムはそう言い放つと、肩を切って歩いていった。皆、固唾を呑んでそれに見入る。
ノーアイズとの距離が狭まってきた。徐々にノーアイズの攻撃範囲へと足を踏み入れていくサム。不敵な笑みを浮かべながら、両手にBARを2挺携えている。
「愚図共、よく見ておけ。これが本当のBARの使い方だ。」盛り上がった筋肉が目立つ太い腕を持ち上げると、2挺のBARの銃口が2体のノーアイズの額を捉えた。
すると突如、BARが火を噴いた。凄まじい轟音を上げて、ノーアイズの頭を粉微塵にしていく。それが終わると、別のノーアイズを撃ち、次に疎らに撃つ。かなりの弾を消費しているだろうが、未だに弾切れは起こらない。
サムが撃っているBAR、マガジンの長さが80センチもある。装弾数120発。それが2挺だから2倍で240発。これを扱うサムはまさしく化け物だ。