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第0章「衰退」 11
静寂。ブルが全滅した。レコンキスタは僅か数秒の内に何十匹という数のブルを1匹残らず駆逐したのだった。未だ銃声が微かに夜空で木霊していた。
「……多分まだ来るぞ、用心しろよ……バース……」
「OK……、分かった」静寂の中、サムに聞こえぬように囁き合う、スミスとバースの二人。手に持ったBARをぐっと握り締める。
その数秒後、スミスの予想通り、石造りの高級ホテルの割れた自動ドアからノーアイズが次々と這い出てきた。灰暗い闇の底から現れたノーアイズ。眼窪から黒い涙を滴らせ、口元からは鼻が曲がるような腐臭を吐き出す。それらはおぼつかない足取りで粘着質な足音を鳴らしながらこちらへ向かってきた。
皆、それらの頭部を狙ってBARを構えた。
と、その瞬間……
「撃つな!!」と、サム。「撃ったら殺す!!こいつらには俺の玩具になって貰う……貴様等愚図共はそこで見ていろ」