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第七章「煉獄」 6
声が空で反響する。
………いや、だがそれでいい。
人間のままの俺の力ではダークネスには到底届かなかっただろう……。銃器でも死ななくなったノーアイズをどうやって返り討つんだ?
ジョンは神を恨めしく、有り難く思った。
血糊で粘ついた拳を固める。ダークネスへの憤怒と憎悪を込めて。
ボブ。お前は良い奴だった。お前の吐く糞ジョークは最高さ。
ロバート、アッシュ。お前等、好き勝手暴れやがって。本当世話に苦労したよ。
マックス。お前は頼りになった。調子者なのが玉に傷だったがな。
レイ。助けてやれなくてすまなかった……。許せとは言わない。
そして、ジャニス……。……ありがとう。
……また雪が降ってきた。追悼の白雪だ。
ーーダークネス…。今すぐお前を殺してやる!!
コア・ビルに向かい、ジョンはありったけの力を脚に込めて突っ走っていった。