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第七章「煉獄」 4
糞、やっぱり来やがったか!
これを横に飛んで避ける。しかし、地面を蹴った力が強すぎて予想以上に大きく飛んでしまった。ノーアイズ達からどんどん遠ざかり、気が付くと、奴等から数十メートル離れたところで止まった。
マジかよ……!
ジョンは驚愕の嗚咽を漏らした。自分の力を巧く制御出来ない。
そうしている間にノーアイズ達は最早ジョンに追いついてきた。
このままじゃ埒が開かない。何かしら手を出してみるか……?!
再び襲いかかってきたノーアイズ。その数四体。黒の唾液を滴らせ、醜悪な牙を光らせた。
その向かってきたノーアイズの最寄りの一体の頭を、ジョンは右腕で払った。
すると、そのノーアイズの頭はいとも簡単に、西瓜のように割れてしまった。大量の血液がアスファルトを染めた。溢れだした脳髄がそこに重なって蜷局を巻く。