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第七章「煉獄」 3
ジョンは五百メートル先にそびえ立つコア・ビルを見上げた。淀んだ闇に立ち誇るダークタワー。俺はもうガンスリンガーじゃなくなったが、行ってやる。ダークネスを絶対殺してみせる。
ジョンは煮えるほどの怒りに唇を噛みしめると、コア・ビルに向かって走り出した。
体が軽い。一度地を蹴ると、一気に体が風のように舞う。
体中に力がみなぎっている。試しに車に正拳突きを入れると、固めた拳がフレームを貫通してしまった。
これがノーアイズの力か……!別に賛美しているわけじゃないが俺は驚愕した。
そのまま走っていると、やがて何体かのノーアイズがこちらに牙を向けて並走し始めた。どうやら自分を敵視しているようだ。身はノーアイズとなっても立場は変わらないらしい。
俺は止まった。すると並走していたノーアイズ達も止まり、次の瞬間それらは俺に向かって一斉に飛びかかってきた。