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第六章「瞑想」 42
微かなノイズがつんざいた後、声が聞こえた。
ーー06号。応答を願います。
その声はダークネス、ミシェル・ドラクロアのものだった。ダークネスは自身と同じ体駆のマシーンを作り出し、街の偵察に当てていたのだ。その内の一機、06号機は任務中に故障(発狂)し、通信網の届かない圏外へ姿を消してしまったのだった。それが今、帰ってきたのだ。
(はい、こちら06号機です。どうぞ。)
ーー帰還おめでとう御座います。さて、どうやら反乱分子がいたようですが、そちらの方は如何なさいましたか?
反乱分子。あぁ、私が帰還を遂げるために使ったあの畜生共の事か。
(下衆共は全員排除してやりましたよ。今そこで転がってます。)06号はジョンとジャニスの死体を一瞥した。
しかし、
そこにある筈のジョンの死体が消えていた。