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EYES  作者: 和菓子
EYES
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第一章「月光」 5

 「この匂い…来ますね…」ミシェルが小さく呟くと、皆の元にも匂いが届いたらしく、各自武器をゆっくりと抜いていった。

 「あーこの匂い嗅いでるとさっきのチャイ吐きそうだ…」ボブが肥満気味の腹をさすった。

 「止めて下さい、汚らわしい…。」

 「なんだその言い方。アメリカンジョークがわからん奴はイヤになるね」

 「貴方南米出身なのでは…?」

 ボブは黙ってしまった。それに全く面白くない…、とミシェルが付け加えると、突如

 シッ…! ジョンが口元で人差し指を立てた。「静かに…!」

 ざわめきが消えた。

 静寂の中駆け巡る、荒んだ風の音。暗闇の中、先ほどより勢いが増した雪が月の光を浴びて銀の様に輝く。そのまま月の光は廃屋と化した石造りの住居を優しく包み込み、散らばった残骸達を抱いていく。

 そしてその崩壊美の世界の中で車の群れの陰から腐敗臭と共に、粘着質の音と共に、無数のただれた頭が蠢きだした。

 ノーアイズだ…。

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