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第六章「瞑想」 38
ついに目覚めやがった。
糞ったれ!!
マイケルは自身を後方に引っ張ろうとするノーアイズの腕を強引に振り払い、振り向き様に一発撃った。
弾丸はノーアイズの額に直撃し、爆音と共にその肉を削ぎ落とした。
筈だった。
腐った脳髄を撒き散らし、漆黒の血飛沫を上げて地に伏す筈のそのノーアイズには傷一つ付いていない爆発の榴弾痕も一切見当たらない。
そう、全くの無傷。
よろけた様子も、たじろぐ様子も全くない。
それどころか、左肩に何やら痛みを感じる。
見る。
何ということだ。
肩から先が無いじゃないか。
濁流のように流れ落ちる大量の血を目の当たりにすると、意識が遠のいた。
だが歯を食い縛り、これを耐えた。
まだや。まだ俺は死ねへん!!
マイケルは千鳥足で後退し、追撃を試みるそのノーアイズの額目掛けて、ワルサ―の引き金をを引いた